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メディアはすべてバラエティである

2013年11月14日(木)

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 前々回で偽装表示問題に触れたが、そこでちょっと危惧……というよりは揶揄したように、案の定、日本中ありとあらゆる方面のありとあらゆる部署が謝り始めた。この半月はどこを見てもお詫びのオンパレードだ。

 そういうことを問い詰めているテレビ局も同じ陥穽にはまっている。バラエティ番組における、いわゆるヤラセや、あるいは過剰な演出が、複数の局でオンエア続行もままならぬほどに問題になっている。

 これもまた広い意味では「偽装表示」の一種だろう。

 だが、といって、あまりに厳しく糾弾するのもどうか、という想いがしているのも、これまた前々回と似た気分だ。

 おっと、昨今は、この1ページ目や見出しだけを見て脊髄反射する輩も多いので、大慌てで幾つかのことを先に断っておかなければならない。

 まず、度を超したヤラセを弁護する気はさらさらない。擬装問題も、それが人的被害が出るような規模のものであるならば言語道断だと思う。

 そもそもドキュメントの体をとったバラエティも、雑誌のコメント的な仕事も、たいていは作り手の思惑にそって配置され、切り貼りされ、ときには増幅や改竄され、いってみれば素材として利用されるのであって、それが「皆無」ということは、まずありえない。

 よくて、せいぜい「ほう、思ったより意を汲んでもらって良心的な記事(あるいは番組)になってるな」という程度だ。……という程度であれ、そういうケースはめったにないので出くわすと妙に感謝してしまったりするのが困ったところだ。

 逆に限度を超えて不快な思いをしたことは、過去に何度もある。

 だから怒りもわかるのだが、しかし、この「そもそも」という部分を、見る側も出る素人の側もあんまりよくわかっていないのではないか、と感じることは、ある。相手側の弁護ではなく、こちら側の自覚や認識の問題だ。

 バラエティに出る、あるいは雑誌のコメント仕事を請ける、というのはそういう誤解のリスクをしょい込む、ということだ。リスクと、そこでのバーターで得るもの(お金とか露出頻度とか宣伝とか発言の機会とか逆取材とか)とを秤にかけて、許容できると判断すれば出ればいい。

 さて、いっぽうで、エッセイマンガやルポマンガを描いたりもするギャグマンガ家の立場からすると、作品を面白くするために、そうした取材素材の誇張的な演出というのは、しょっちゅうやっていることである。まったくもって、あることないことを描かれるギャグマンガ家の担当編集や友人にはならないほうが身のためといえる。

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「メディアはすべてバラエティである」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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