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アベ相場がもう来ないこれだけの理由

“地味な統計”こそ「アベノミクス通信簿」

2013年11月18日(月)

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 「アベノミクス」を原動力にした日本株の大幅上昇局面が近く再び到来するのではないか――。

 こんな期待感が、株式市場関係者の間に根強く漂っているようである。だが、申し訳ないが、そうした「アベノミクス相場」再来説について、筆者は否定的である。11月7日に発表された1つの“地味な統計”が、重要なメッセージを発信している。

 その統計とは、金融広報中央委員会がまとめた「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯調査、2013年)というものだ。今年6月14日から7月23日に全国8000世帯を対象に行われた調査の結果だ。第2次安倍晋三内閣が発足し、「アベノミクス」が実行段階に移され始めてから約7~8カ月が経過した時点で行われたサーベイとなり、政策効果を映し出す指標と言える。

運用リスク、8割が拒否反応

 「金融商品の選択の際に最も重視していること」についての回答を「安全性」、「流動性」、「収益性」の3基準に分けて比率を見る。すると、「安全性」が47.0%(昨年46.7%)、「流動性」が25.0%(同24.7%)にそれぞれ上昇した一方、「収益性」は14.7%(同16.9%)に低下した(図1)。

図1:「金融商品の選択の際に最も重視していること」に関する2人以上世帯の回答分布
出所:金融広報中央委員会

 また、「元本割れを起こす可能性があるものの、収益性が高いと見込まれる金融商品の保有」について尋ねたところ、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」という回答が82.6%に達した。昨年の84.5%からは若干減少したものの、運用面でリスクを抱えることを拒否する層が、引き続き8割超という圧倒的多数を占めていることが分かる。

 その根底にあるものは、年齢層にかかわらず日本人の間に広く存在し続けている、将来への根強い不安感だろう。金融資産の保有目的について尋ねたところ、最も回答が集まったのは今回も「老後の生活資金」(65.8%)。次が「病気や不時の災害への備え」(63.8%)だった。

 少なからぬ家計にとって、保有している金融資産は「長生きリスク」がどうしても意識される中での「虎の子」であるだけに、元本が毀損するリスク商品への拒否反応はどうしても強くなるようだ。

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「アベ相場がもう来ないこれだけの理由」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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