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マドンナでもアップルでも、イノベーションの本質は変わらない

「組織」と「デザイン」をめぐる重要なトレンド

2013年11月19日(火)

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 本連載では、この8月まで米ビジネススクールで助教授を務めていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。

 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)という本を刊行したのですが、中でも反響が大きかったのが、イノベーションに重要な「両利きの経営」を紹介した章でした。関連した話題は本連載の第4回でも取り上げています。

 実は、本では書けなかったのですが、イノベーションを考える上ではもう1つ大事な経営学の視点があります。それは組織の知を「コンポネント(部分的)な知」と「アーキテクチュアルな知」に区別することです。

コンポネントな知、アーキテクチュアルな知

 この「知の区別」を提示したのは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のレベッカ・ヘンダーソン教授(当時)と米ハーバード大学のキム・クラーク教授(当時)が、1990年に「アドミニストレイティブ・サイエンス・クォータリー」誌に発表した論文です。

 「コンポネントな知(Component Knowledge)」とは、製品・サービス開発における「特定部分の設計デザイン」についての知識です。ヘンダーソン=クラーク論文ではエアコンの例が取り上げられています。たとえば室外エアコンの場合、それを構成する室外ファン、モーター、コンプレッサー、電磁弁などは「部品」であり、その部品ごとの設計デザインの知識が「コンポネントな知」となります。

 他方で、それらの部品を組み合わせて一つの最終製品にするための知が、「アーキテクチュアルな知(Architectural Knowledge)」です。たとえば一見似たようなエアコンでも、室外ファン、モーター、コンプレッサー等をどのように組み合わせて1つのエアコンとしてまとめあげるかで、その性能や特性が変わってくる、というわけです。

 通常、業界で新しい製品が生まれてからしばらくは、部品同士の最適な組み合わせについて試行錯誤が続きますから、企業に主に求められるのは「アーキテクチュアルな知」になります。しかし時間が経つにつれ、組み合わせについて業界で標準化が進んで行きます。これを「ドミナント・デザイン」と呼びます。一旦ドミナント・デザインが確立されると、その後は部品それぞれの機能を高めるための「コンポネントな知」が重要になっていく、ということになります。

ドミナント・デザインは組織を規定する

 ここで重要なのは、製品やサービスのドミナント・デザインが確立するにつれ、企業の組織構造やルールもそれに対応していくことです。

 例えば、もし「モーターとコンプレッサーの配置関係」がエアコンの機能向上に重要とわかったなら、それらの部品の開発部門間での情報交換が密になるでしょう。また、「さらなる機能向上のためにどの部品(部門)に注力すべきか」といった優先順位も、組織のルールとして決まってきます。

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「マドンナでもアップルでも、イノベーションの本質は変わらない」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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