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不条理な事実の役立て方

2013年11月21日(木)

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 本連載の「このコラムについて」という紹介文を読むと「仕事中に力が入って固まったアタマを、軽くリフレッシュしてください」と書かれている。

 だが、そのコラムを書くマンガ家はいよいよ年末進行を迎え、リフレッシュどころか頭がコンフリクトを起こしかけている。リフレッシュするためのコラムを書くためにリフレッシュする方法を誰か教えてください。

 こういうときは何の役にも立ちそうにないニュースを探すに限る。
 多くの人を不幸にするでもない、批判や擁護をしたところでとくに炎上もしない、いや、批判や擁護をする気にもならない、牧歌的でどうでもいい怪しげなニュース。

 一口に怪しげといっても

●出来事自体が怪しげな場合
●出来事はけっこう深刻なのだが、記事の書き方や放映の仕方が投げやりなために怪しくなっている場合
●出来事と捜査や取材が協力し合って怪しくなっている場合

 と、さまざまなケースがある。

 実をいうと、インターネット普及からこっち、そういうある種の不条理感漂う怪しげなニュースは、なかなか存在しにくくなっている。

 これまでもさんざん指摘してきたように、ネットではすぐに事実関係の検証が行われ、間違いがあれば電光石火の早業でもって、修正のツッコミが出るからだ。

 善意と悪意の多数の第三者による校正。私もよくお世話になっている。親切を通り越して、言葉の尻と揚げた足をつかまれてパイルドライバーをかけられることもあるが、まあしかたない。

 もちろん、間違いはないにこしたことはない。
 デマや誤謬が許されない種類のニュースや記事もある。
 新聞系のサイトならなおさらだ。

 だが、絶望するような事件や事故や政治問題のあいまに、かつては新聞紙面やニュースの一部に必ずあった、そのような「どーでもいい記事」が許されなくなっていきつつあるのは、なんだか潤滑油や息抜きを失ったようでつまらない。「大事なのはどっちが正しいかでなくて、どちらをとったら面白いか」(唐沢なをき)というメンタリティで生きているギャグマンガ家にすれば、よけいにそう思う。

 私は創作のマンガを描くかたわらで、時事ネタを題材とした短いページのショートコミックを90年代から描いてきた。ここで気をつけていたのは「出来るだけ社会風刺にならないようにする」ことだった。

 かつての新聞漫画の存在意義は「社会風刺」にあった。
 新聞漫画に限らず、あの手塚治虫でさえ1977年の時点では「漫画というものの本質を、ズバリひと言でいうと、なんでしょう」という問いに「風刺ですよ」と答えている(『マンガの描き方』光文社)。

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「不条理な事実の役立て方」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士