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「ここなら自分も働いていける」

日産本社で採用された中国人が実感した一言

2013年11月25日(月)

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 「Diversity(ダイバーシティ)」という言葉が、日本の産業界でも日常的に使われるようになった。「企業で、人種、国籍、性、年齢を問わずに人材を活用すること」(デジタル大辞泉)とあるように、組織の多様性を高めるという文脈で使われるようになったのは読者の皆さんもご承知の通りだ。

 ダイバーシティを高めるうえで女性の積極的な活用も重要だが、本稿では外国人の登用を中心に書きたい。

 日本企業が外国籍の人材を積極的に採用するようになったのは、海外市場で売り上げを伸ばしていくことが重要になってきたからだ。人口が減少する日本市場にしがみついていても、企業が成長するのは難しい。そのため、多くの日本企業は海外市場へ打って出る必要に迫られている。

 海外市場を攻略するためには、現地の人材を活用するのが最も合理的だ。言葉や価値観、そして現地特有の商習慣などを日本人が完全に理解するのは不可能に近い。だからこそ多くの日本企業は、外国籍の人材を雇用する必要性に迫られることになった。

 それに伴い、異なる価値観を持った従業員を束ねていくための経営も必須となった。それがダイバーシティという外来語が日本で広まった要因の1つである。

 ダイバーシティを高めようという動きは歓迎すべきだが、今はその方法論ばかりに注目が集まっている気がしてならない。「新卒採用の△割を外国人にする」だとか「社内公用語を英語にする」などという施策は、確かに世間の注目を集めやすい。ただ、そうした手段を講じたとしても組織の変化は表面的なものにとどまるだろう。

 日本企業が本質的に変わるためには、マネジメント層(その多くが40代以上の男性だ)が自分たちとは異なる価値観を受け入れることが必須と私は考える。外国籍の新入社員がいくら増えたとしても、社員がどんなに流ちょうに英語を操れるようになったとしても、それで組織の多様性が高まったとは言えない。会社の屋台骨を支える幹部たちが、新しい価値観をどれだけ受け入れられるか。その度量にかかっているはずだ。

 「度量」などと大層な言葉を使ったが、やるべきことは日本人の上司が外国人の部下の話をきちんと聞くことに尽きるというのが私の持論だ。私がそのような考えに至ったのは、中国に進出している日系企業の取材活動を通じて、成功している企業はどこも風通しが良いと感じるからだ。日本人幹部と中国人スタッフのコミュニケーションが非常に円滑で、組織としての一体感が高い。

ゴーン氏に憧れて日産に入社

 「部下の話をきちんと聞く」――。そんなことはお前に言われなくたって実行している、と言うなかれ。以下は、2004年から日産自動車で働いている呉越氏に聞いた話だ。中国人である呉氏の話を通じて、日本人の上司に話を聞いてもらう外国人部下の気持ちを感じてもらえたら幸いだ。

日産自動車の呉越氏。2013年から中国の東風日産乗用車に商品企画本部副部長として出向している(写真:北山宏一)

 呉越氏は北京生まれの中国人だ。留学のため1991年に初めて日本にやって来た。成田空港から都内に向かうバスの中で見た光景は今でも忘れられないという。(今では中国でも当たり前だが)道路には自動車が溢れており、「このクルマは全部個人のものですか」というのが呉氏の最初の質問だった。当時の中国は、首都である北京でも自動車に乗れるのは特権階級の人だけで、大衆は自転車で移動するのが当たり前だったからだ。

 自動車に対する憧れはその後も続く。苦学して立教大学を卒業した呉氏は最初、日本のある設備メーカーでアジア向けの営業職に就いた。ただ、自動車メーカーで働きたいという思いが次第に強くなり、2004年に中途採用で日産に入社した。

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「「ここなら自分も働いていける」」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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