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「情報過負荷」の消費者に「刺さる」広告とは

ポスト「マス広告」時代のマーケティング(第2回)

2013年11月29日(金)

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 企業の経営に影響を及ぼす可能性のある時事的な話題を取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちにそのインパクトを読み解いていただくシリーズ。

 今回のテーマは「ポスト『マス広告』時代のマーケティング」。マス広告を通じて大量生産・大量販売するという従来の方法が機能しなくなっていると言われる。そうした中、企業のマーケティングや経営戦略はどうあるべきなのか。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 今回は、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)の井上哲浩教授の論考を紹介する。物量作戦で製品を売り込む「パワーマーケティング」が効かなくなってきた背景を企業サイド、消費者サイドの両面から説明。今後はメディアの特性を理解したうえで、製品、対象とする消費者、訴えたい内容に応じたマーケティング戦略を講じるべきと説く。

(構成は小林佳代=ライター/エディター)

慶応義塾大学ビジネス・スクールの井上哲浩教授(写真:陶山 勉)

 物量作戦で製品を売り込む「パワーマーケティング」が効かなくなってきたと言われています。実際、以前のような効果は出にくくなっている。その理由はいくつか考えられます。

 企業サイドの状況から説明すると、企業が生み出す製品の同質化が進んでいること、つまり差別化ができなくなっていることが理由です。

 では、なぜ製品が同質化しているのでしょうか。

 開発する際に「パーツはこれを使う」「インターフェースはこういうものにする」という具合に原材料・部品や仕様の規格化が進み、違いを出しにくくなりました。技術の進展もある程度飽和し、画期的な新製品を生み出すような技術革新が起きにくくなっています。

 さらにリーマンショックを機に世界経済が減速したこと、先進国企業が新興国企業との競争激化に直面していることで売り上げ、利益が減少し、マーケティングや研究開発に投じるヒト、カネなどの経営資源が少なくなりました。これらの理由から、製品・サービスの同質化が進んだのです。

製品が同質化し、微細な違いを訴求することに

 企業は同質化が進む中でも、価格競争に陥らないよう、何とか他社との違いを出そうとするので、非常に微細なところを訴求することになります。

 例えば緑茶だったら「香りがいい」とか「苦みが効いている」といった違いが明確に分かるかどうか微妙なポイントをアピールしている。けれど、そんなエッジの効いた訴求ポイントを果たして消費者は理解し記憶できるのでしょうか。

 従来のマーケティングでモノが売れなくなってきた背景には、消費者サイドの問題もあります。

 近年、メディア、ツール、デバイスなど、情報が流れる多種多様な機器が出現しました。フェイスブック、ツイッター、ミクシーなど友人・知人と気軽につながることができるプラットフォームも登場しています。メディアもプラットフォームも社会化し、その中を流れる情報は増える一方。消費者は「情報過負荷」の状態に陥っています。

 情報過負荷の状態では、テレビで15秒間のコマーシャルが流れても、あるいは雑誌で2ページにわたって広告が掲載されていても、それらの情報をきちんと処理してメッセージを受け止めることができなくなります。パワーマーケティングの最大のツールはマス広告でした。企業サイド、消費者サイド双方の事情によって、従来のようにマス効果は効果を発揮しにくくなった。その結果、パワーマーケティングがうまくいかなくなっているのです。

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「「情報過負荷」の消費者に「刺さる」広告とは」の著者

井上 哲浩

井上 哲浩(いのうえ・あきひろ)

慶応義塾大学ビジネス・スクール教授

1992年関西学院大学大学院商学研究科博士課程後期課程単位取得中退後、96年米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で経営学博士号取得。関西学院大学商学部教授などを経て2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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