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東京五輪やアベノミクスで幸せになりましたか?

2013年11月27日(水)

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 東京五輪の開催決定やアベノミクス効果で、エコノミストの景況感は改善している。日本中で景気回復への期待が高まる中、今年は取材で「自社の成長には興味がない」などと、時代に逆行するようなことを言う2人の経営者と出会った。六花亭製菓の小田豊社長と、伊那食品工業の塚越寛会長だ。

ノルマは心の病の元

 六花亭は北海道を代表する製菓会社。北海道の定番土産「マルセイバターサンド」がよく知られている。

六花亭製菓のマルセイバターサンド。北海道の定番土産だ。

 2013年3月期の売上高は181億円で、ここ数年はほぼ横ばいで推移する。 しかし、小田社長はあまり気にしていない様子だ。「現場にノルマを課しておらず、達成すべき予算は作成すらしていない」とのこと。前年を上回る予算を押し付けられている「普通の会社」のサラリーマンにとっては、羨ましい限りだろう。

 マルセイバターサンドというロングセラーの存在が、経営に余裕を生んでいるのは事実だ。一方でそのブランド力をフル活用して、成長路線を突き進む、ということもしない。

 「売上高が100億円に達したあたりから、お菓子市場は有限で、成長には限界があることを悟った。それ以降、売り上げを追い求めなくなった」と小田社長。

 小田社長が重視するのが、従業員の心の健康だ。「ノルマを押し付ければ、心のゴムが張った状態になり、いずれ伸びきってしまう。だからノルマは課さない」と言う。

 また有給休暇の取得を奨励しており、全従業員が毎年100%消化している。1人当たり最大20万円まで旅費を補助する制度を設け、「従業員に『旅行でもして楽しんできなさい』と言っている」(小田社長)そうだ。

 さらに40年以上前から定期的に従業員の心の健康診断を実施する徹底ぶりだ。鬱症状などの異常を察知すれば、自社で運営する農園に配置転換するなどして、回復を試みる。

 小田社長を突き動かすのは贖罪意識である。

 学生運動が吹き荒れていた時代に大学時代を過ごした小田社長は、卒業して、父の創業した六花亭に入社すると、「資本家の息子として労働搾取している」と見られることに抵抗を感じたという。そして父から経営を引き継ぐと、有休の100%取得を手始めに、労働者の側に立った改革を推し進めた。

 小田社長は、「心が健康な従業員たちがお菓子を作っているから、味がぶれない」と胸を張る。

コメント11件コメント/レビュー

「国の経済力が一定程度に達すると、会社が好業績で賃金が上がっても、もはや人々がそれによって幸せを感じなくなるということだ。」会社が好業績でもそれを利益にのみ計上して賃金を上げない会社があるので幸福度が上がらないんですよ。少なくともウチは好業績→君の力はこんなもんじゃない→賃金横ばい低業績→なにやっとるんだ!→賃金低下でしたから。(2013/12/02)

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「東京五輪やアベノミクスで幸せになりましたか?」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「国の経済力が一定程度に達すると、会社が好業績で賃金が上がっても、もはや人々がそれによって幸せを感じなくなるということだ。」会社が好業績でもそれを利益にのみ計上して賃金を上げない会社があるので幸福度が上がらないんですよ。少なくともウチは好業績→君の力はこんなもんじゃない→賃金横ばい低業績→なにやっとるんだ!→賃金低下でしたから。(2013/12/02)

今忘れられていたことを教えていただいた記事です。「企業は人なり」という言葉を思い出しました。(2013/12/02)

吉野さん、がんばってますね。以前日経コミニケーション誌で取材を受けた者です。畑は違っても、良い記事を書いて幅広い感性を持った記者として活躍して下さい。(2013/12/02)

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