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「動物園」は「水族館」になるな

維持し続けて変化がないことの価値をどう伝えるか

2013年11月28日(木)

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 サーカスのシルク・ドゥ・ソレイユの高収益ビジネスモデルはビジネススクールなどでよく紹介される。成功の秘訣はいくつもあるが、中でも“ノン・バーバル(言語によらない)、“ノン・スター(有名スターを作らない)” 、“ノン・アニマル(動物を使わない)”の3つがユニークだ。

 言葉を使わないのでどこの国でもできる。ビッグスターを作らないから、いつでも代役が使える。そして動物を使わなければコストが下がり、事故のリスクも減る。シルク・ドゥ・ソレイユの方法は、サーカスのサービス業としての生産性を著しく上げた。そして浮いたコストを投資に回し、世界スケールで展開、拡大再生産している。生身の人間と動物が創り出すハラハラドキドキがないのはちょっと寂しいが、サーカスの近代化と発展を促した。

 さて、今回のテーマは動物園である。動物園はノン・アニマルとは真逆の世界で、生産性は低い。もともと収益性が低く、多くは公立で維持されてきた。

 一方、これと似て非なる業界が水族館である。昔は同様に非効率だったが、最近は、シルク・ドゥ・ソレイユほどではないが、ビジネスモデルの近代化と効率化が進んでいる。

 水族館は動物園と違ってほとんどが屋内施設だから、お客は雨でも冬でも来てくれる。加えて最近はアクリル水槽、人工海水、ろ過ポンプの技術革新で、内陸部の狭い土地にも立地できるようになった。複数階にわたって水槽が置けるので、土地の利用効率も高い。

 片や動物園は、平面展開が中心で広大な土地が必要になる。フンの処理にも人手がかかる(水族館はろ過装置がやる)。かくして、入園料が同程度の場合、1平方メートルあたりの平均の稼ぎは水族館の方が多くなる。

動物園の役割は種の保存

 動物園の誕生は、新大陸の探検時代に由来する。デイヴィッド・リヴィングストンのような当時の探検家(多くは貴族)が、現地で見つけた珍しい生き物を家に持ち帰って飼育した。やがて家で飼えなくなると、市に寄付をした。その後、動物園はレクリエーション施設として発展し、現代ではロンドン、パリ、ニューヨークはもとより東京、大阪、京都、神戸など古い大都市には必ず動物園がある。

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「「動物園」は「水族館」になるな」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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