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え、古代ペルシア人は悪魔だった!?

イランは“脅威”だと喧伝したいメディア

2013年11月28日(木)

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 現代人は生活費を得ることに日々忙しく、娯楽や趣味も、どんどん楽をする方向にむかっています。例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』を楽しむ場合。昔のように時間をかけて読むのではなく、映画化されたものを見てすますようになっています。映画館に行ったり、DVDを借りてきたりして。ドストエフスキーが文字で描いたシーンを自分の頭でじっくり再現するのではなく、すべてを映画監督に任せてしまいます。忙しい現代人は、カメラを通じて世界を見るようになってしまいました。これはいかにも残念な現実です。

 ハリウッドが2004年に映画化した作品に『トロイ』があります。幼い頃に、世界の神話を載せた雑誌を読んでいた筆者にとって、アキレスは英雄でした。しかし、映画『トロイ』を見て、何となくアキレスに幻滅してしまいました。筆者は、戦場で殺される英雄を好んでいたからです。映画『トロイ』の中のアキレスは、キスしながら死んでいきました。これは、映画監督がかってにストーリーを変えたからです。ホメロスの作品を読んでいない人がこの映画を見たら、トロイの神話自体に関する理解が原作と違ったものになるでしょう。

ひどい国に描かれるイラン

 このように、映画監督や製作会社が自身の利益のために歴史的な事件を改ざんすることが当然のことになっています。これに政治的な意図が加わると、改ざんは一線を越えたものになりがちです。

 2006年に上映された『300』はその1つの例です。古代ペルシアと古代ギリシアの戦争を題材にした作品です。『300』はペルシア人を悪魔として描きました。狙いは1つしか考えられません。イランを「脅威」に仕立て上げることです。この年、当時のイラン大統領がイスラエルを「地図から削除すべきだ』」としました。これを受けて、イランが脅威であることを世界に訴えるために、古代ペルシア人を獣として描いたのだと思われます。

 かつて、1962年に製作された『スパルタ総攻撃』という作品も同じ事件を題材にしていました。こちらの作品も事実を若干改ざんしていましたが、イランを脅威にすることを狙っているようには思えなかったので、頭にはきませんでした。

コメント8件コメント/レビュー

イランに車やビルがあると思っていなかった学生は、「暗い映画」を観たというよりも単に無知なだけではないでしょうか。自由に映画を撮れない状況が問題なわけで、「暗い映画」を批判するのは筋違いだと思います。以前観たイラン映画では、イランのロックバンドやラッパーが紹介されていて、興味深かったです。(2013/11/29)

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「え、古代ペルシア人は悪魔だった!?」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

イランに車やビルがあると思っていなかった学生は、「暗い映画」を観たというよりも単に無知なだけではないでしょうか。自由に映画を撮れない状況が問題なわけで、「暗い映画」を批判するのは筋違いだと思います。以前観たイラン映画では、イランのロックバンドやラッパーが紹介されていて、興味深かったです。(2013/11/29)

母国の表現の自由の無さを否定的な言葉を使わずに表現なさったのですね。イランが民主化される事を願っております。(2013/11/28)

マルジャン・サトラピの作品を見ましたが、テヘランを始めとする美しい街々の情景や人間模様に、イランに対する望郷の念で一杯でした。いろいろな事情で亡命を余儀なくされた人のようです。イランは、もちろん、二千年を超える歴史と文明、そして、最近百年の激動の時代、近年に至っても種々の政治的動乱を経験しながらも、教育水準は高いし、立派な人たちを産み出しています。それだけに、イランの外にいざるを得ない人たちの想いは、複雑ながら、深いものがあると思います。こういう人たちから、一般の日本人は学ぶべきものが実にたくさんあるように思っています。(2013/11/28)

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