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私がCEOに選ばれなかった理由

第6回 グローバル経営には注意深さが必要

2013年11月29日(金)

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 国際ビジネス社会のジャングルの中で横断的に新しいプロジェクトを始めたり、企業を買収して経営したりといった場合、国内で仕事をする時とは種類の違う厳しさがある。所属するグループに守られたり、互いの信頼関係の中で安心して仕事をしたりという状況がほとんど期待できないため、国内だけで仕事をする時とは違った注意深さが求められ、常に緊張感が必要だ。ある意味丸腰で、素手で渡り歩いていかなければならず、決死の覚悟がいる。

 海外企業を買収しても、日本の本社から日本人を送ってすぐ現地経営がうまくいくことが極めて少ないのは、読者もご存じの通りだろう。やはり現地出身の経営陣をどのように監視し、うまく動かしていくのかがかぎだ。今回は、筆者が多国籍社会で40数年を働いてきた中で経験し、かつ先輩や仲間たちから学んだ中で、企業経営にとりわけ大事な要素であるコーポレートガバナンス(企業統治)のあり方について述べてみたい。これらは現在も筆者の指針となっているものである。

 ピーター・ウォトケは、米シティバンクの副頭取やスイス銀行コーポレーション(現UBS)副頭取を経て、ロンドンとニューヨークでコンサルティング会社を立ち上げた米国人である。その間、彼がアジアの企業育成のための多国籍投資会社PICAの社長だった時、筆者は同社北部地区本部長として5年間彼に仕え、韓国、台湾、フィリピンなどで多数の企業への資本参加とその経営に携わった。

企業の成否はCEO次第

 筆者の上司であったピーターは、参加した企業の成否はそのCEO(最高経営責任者)次第だということを固く信じていて、これは以降、筆者の信念にもなった。投資先のCEOの質、性格、哲学、良心、を実によく吟味していたし、不適格と判断した場合は後でtoo late、遅すぎた、ということにならないよう迅速な経営者交代を躊躇なく実行できる、即決即断の人であった。適材適所がスポーツのように重んじられるが、もちろん交代するにあたっては、フェアな扱いが重要だ。

 競争がそれほど厳しくない“平和”な環境では、グループ経営、コンセンサス経営、人間関係重視の経営などを理想的に実現できるが、速い決断、速いアクションが必要な過酷な状況下ではなかなかそうはできない。「企業はCEOを超えられない」というくらいにCEO次第で良いチームができるかどうか、良い舵取りがタイミングよくできるかできないかが決まり、企業倫理も含めたトップの経営が、企業の運命をあっという間に決めていくのである。

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「私がCEOに選ばれなかった理由」の著者

安田 信

安田 信(やすだ・まこと)

安田信事務所社長

1937年生まれ。学習院大学卒業、米イリノイ大学大学院修了(会計学修士)。日・米・アジアなどにおける数多くの多国籍企業の世界で40年を超えるキャリアを持つ。87年、安田信事務所設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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