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スペクタクルな肩すかし

2013年12月5日(木)

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 気がつくと、あちこちで火山が噴火している。

 小笠原・西之島新島の火山活動はあいかわらず活発で、溶岩が海を埋め立てて、島の面積は発見当初より約2.5倍の大きさになっているという。

 それだけではない。

 新島を皮切りに、メキシコのコリマ火山、グアテマラのファイアマウンテン、バヌアツのヤスル火山、イタリア・シチリアのエトナ火山、インドネシアのシナブン山とメラピ山……6カ国7火山が続けざまに噴火した。ほぼ一両日内の出来事であり、地球規模的スパンでいうなら、一瞬のうちに同時噴火した、といってもいいだろう。

 すわ、地球的大異変か、チャンドラセカール博士の登場か、アイソン彗星との関係は……と怪しげな疑似科学やオカルトサイトでは話題になっていたが、もちろんこれはレトリックで、上記の火山のほとんどは、だいたい(桜島のように)日常茶飯事のように噴火している山なのだった。地球物理的な因果関係はたぶんないと思われる。

 とはいえ、それぞれの噴火規模はいつもより大きかったようで、とくにエトナ山は市街地にも近く、メディアの発達した国での噴火ということもあり、WEB上にも写真やニュース動画がいくつもアップされていた。私は先年、麓のカターニアを訪れ、いくつかの場所には見覚えがあったので、緊迫した状況がより身近に感じられた。

 そもそも西之島は1973年に大きな爆発を起こして新島が誕生したのである。オイルショックの経済混乱に加えて、この大きな天変地異は世相を不安にさせるのに一役かった、と記憶する。

 このときの噴火は、いまでは小松左京と光文社カッパ・ノベルズ編集部が『日本沈没』販促のために仕込んで起こしたことが知られている。功を奏して『日本沈没』は上下合わせて385万部を超えるベストセラーとなった。

 では今回の7火山同時噴火は、いったい何の前兆、もしくは前パブなのか。

 すまない。今回は我々がやりました。
 私とヤマザキマリさんと「新潮45」編集部の仕業だ。
 今月から、かの雑誌で私とヤマザキさんとの合作『プリニウス』の月刊連載が始まるのである。秋にこのコラムで書いたイタリア旅行記も、実はその取材だった。

 ガイウス・プリニウス・セクンドゥス、通称大プリニウスは古代ローマの海軍総督だが 、これはまあ名誉職のようなもので、それよりも大著『博物誌』を著した元祖「博物学者」としてよく知られている。

 扱っている分野は天文学や地理学・歴史学、槍の投げ方、雷は電気(のようなもの)というひじょうに科学的な考察から、いっぽうで怪しげな動物やオカルティックな怪奇現象まで多岐にわたっている。とにかく、ありとあらゆるこの世の事象をかき集め、記録し、考察するのが好きな、まさに小松左京と荒俣宏を足したような好奇心旺盛な人であった。

 だが好奇心は猫と学者を殺す。

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「スペクタクルな肩すかし」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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