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楽天がタブレットに慎重な理由

コボタッチの呪縛から解かれた楽天の次の狙い

2013年12月10日(火)

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 「市場への投入が遅すぎたのではないか」。

 楽天は11月26日、自社として初のタブレットとなる「Kobo Arc(コボアーク) 7HD」を12月中旬から発売すると発表。開催した記者会見では、集まった記者からこう質問が飛んだ。

 記者の疑問も当然だ。タブレット市場は日を追うごとに競争の激しさが増している。MM総研(東京都港区)が11月7日に発表した調査結果によると、2013年度上期(2013年4月~9月)の国内タブレット端末出荷台数は前年同期比で77.2%増の342万台となったものの、2012年度下期(2012年10月~2013年3月)と比べ8.8%減となった。タブレット市場には米アップルの「iPad」をはじめ、米グーグルの「Nexus」、米アマゾン・ドット・コムの「Kindle Fire」といったツワモノが顔をそろえるほか、国内メーカーの富士通やシャープといったプレーヤーも健闘している。

 もちろん、楽天もタブレットにおいて後発プレーヤーであることは十分に認識している。国内の販売価格を電子書籍事業で対峙するアマゾンの「Kindle Fire HDX7」と比べて2000円安い2万2800円に設定したほか、タブレット購入者には自社のEC(電子商取引)モール「楽天市場」や電子書籍の購入時に通常の2倍のポイントを付与するキャンペーンを展開。グーグルが提供するOS(基本ソフト)「Android(アンドロイド)」に対応するアプリが利用できるなどオープン性もウリにする。

 楽天にとって、これまでタブレットを投入する機会が全くなかったわけではない。楽天が2012年1月に買収したコボは2011年11月に「Kobo Vox(コボボックス)」を米国で発売し、翌年の12月には「コボアーク」を投入するなど、電子書籍専用端末と並行してタブレットの新製品を発売してきた。だが、楽天はいずれの製品も国内での発売を見送ってきた。スピード経営を社是の1つに掲げる同社にとって、なぜかタブレット発売には腰が重かった。

 「慎重に慎重を重ねた」。今年1月からコボ事業も兼務となった、パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業担当役員を務める舟木徹氏は日本市場へのタブレット投入が遅れた理由をこう語る。背景にはハードウエアビジネスの“勉強料”が予想以上に重くのしかかっていたことがあるようだ。

コボタッチの呪縛から解かれた楽天

 「初期在庫をようやくさばけた」。舟木氏は2012年7月に国内で初めて発売した電子書籍専用端末「コボタッチ」についてこう明かす。コボの買収から半年足らずで日本語化したコボタッチは、当時、キンドルをまだ未発売だったアマゾンよりも先手を打つべく、スピード優先で市場に投入された。しかし、販売開始直後に初期設定ができないといったトラブルが一部で発生。販売が伸び悩んだ初代のコボタッチは大量の在庫として売れ残った。

 「普通のハードウエアメーカーだったら当然のことであるSCM(サプライチェーンマネジメント)の観点が当時、欠け落ちていた」と舟木氏は初代コボタッチの失敗を率直に認める。その後、楽天は初代コボタッチをCSR事業を通じて学校に無料配布するなど、活用先を絞り出してきた。その重荷からようやく解かれた訳だ。

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「楽天がタブレットに慎重な理由」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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