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誰のための謝罪なのか

虚偽表示の謝罪会見から感じられた軽さ

2013年12月11日(水)

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 「今回は本当に参りました。食品については日本農林規格法(JAS法)に基づいて細かな規定がありますから。けれど飲食店はまたそれとは別でして……。情けないというか、お恥ずかしいというか。我々も厳しいチェックの目を持てずにいたということです。これは本当に申し訳ない。何よりお客様は我々の『のれん』を信頼していらしてくださっている。それを裏切ったのだから、これは許されませんよ」

 10月下旬、阪急阪神ホテルズが、系列ホテルのレストランなどでメニューに表示した内容とは異なる食材を使った料理を提供していたことが発覚した。その後、虚偽表示問題は日本各地へ広がっていった。

 阪急阪神ホテルズが謝罪会見を開いた数日後には、大阪の名門ホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪もメニュー記載と違う食材を使っていたことを発表。これに続くように、日本各地の一流ホテルや有名ホテルが、運営するレストランの料理にメニューとは違う食材が使われていたことを発表した。

 虚偽表示問題は、わずか数日で高級ホテルから大手百貨店に飛び火。11月頭には高島屋が、運営する百貨店とグループ会社の商業施設に入るレストランなどで表示と違う食材を使っていたことを謝罪。三越伊勢丹ホールディングスやそごう・西武、大丸松坂屋百貨店などという大手百貨店でも同じような虚偽表示が発覚した。

 その後、虚偽表示問題は地方百貨店にも波及する。さらには過去に販売したおせち料理などでも同じような虚偽表示があったことも判明した。

 全国のあらゆる高級ホテルや百貨店に広がった虚偽表示問題を受け、消費者庁は12月、景品表示法に基づく行政処分の権限を都道府県にも拡大することを発表。新たに食品表示モニター制度を導入するなどして、虚偽表示に対する監視を厳しくすると表明した。

 冒頭のコメントは、ちょうど虚偽表示問題が立て続けに発覚した11月上旬、ある大手百貨店の幹部が、取材の中でもらした言葉だ。その幹部は、今回の虚偽表示について心底恥じ入るように語っていた。「お客様を裏切ってしまった」と繰り返し、申し訳なさそうに謝罪の言葉を繰り返したのだ。

 この姿に、私は少なからず驚きを覚えた。それは、この幹部が心底申し訳ないという気持ちを吐露していたように見えたからだ。

 10月以降、ホテルから百貨店に広がった虚偽表示問題については、各社の謝罪の様子を取材してきた。だがその様子から感じられたのは、「申し訳ない」などというお詫びの気持ちではなかった。

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「誰のための謝罪なのか」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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