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超低金利長期化+円安=存在感低下

世界の外貨準備構成に見る日本円の影の薄さ

2013年12月13日(金)

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 世界各国で外貨準備の運用通貨を多様化する動きが広がっている。このことは、国際通貨基金(IMF)が四半期ごとに公表している外貨準備の構成通貨に関する統計(COFER)で、2012年10~12月期分からオーストラリアドル(豪ドル)とカナダドルまでも個別データの記載が開始されたことが象徴している。

 この問題に関連する報道を、筆者は仕事の一環で収集している。今年に入ってから出てきたものを並べると、次のようになる。

<オーストラリア>

 オーストラリア準備銀行(RBA)のロウ副総裁は4月24日、同行が外貨準備(3月末時点で382億豪ドル)の5%程度を中国の国債に投資することを明らかにした。4月10日からは豪ドルと中国人民元の直接交換取引が開始されている。


<ロシア>

 ロシア中央銀行は5月16日に公表した年次報告書で、同行が外貨準備(5月10日時点で金を含めて5204億ドル)に占める米ドル、カナダドル、豪ドルの比率を前年に引き上げる一方、ユーロの比率を引き下げたことを明らかにした。今年1月1日時点の通貨別比率は、米ドルが45.8%、ユーロが40.4%、英ポンドが9.2%、カナダドルが2.5%、円と豪ドルが1.1%である。


<スウェーデン>

 スウェーデン中央銀行(リクスバンク)の高官が6月4日、外貨準備(4月末時点で約3690億クローナ)に占める米ドルと豪ドル建て債券の保有を年初から増加させる一方、ユーロ建て資産の比率を引き下げたことを明らかにした。4月末時点で米ドル建て債券は53%となり、昨年末の49%から比率が上昇。豪ドル建て債券は約5.6%で、昨年末の4%から上昇した。中銀の担当者によると、豪ドル資産の増加には分散投資の意味があり、相対的に高い金利を反映しているという。一方、ユーロ建て資産は中銀が売却したわけではないが、結果として37%から35%に低下した。「スイスは異例の低金利を非常に長期間続けている。同じ理由で日本の証券も保有していない。日本でもゼロ金利が続いている」との資産運用部門責任者のコメントも報じられた。


<スイス>

 スイス国立銀行(SNB)が7月11日、同行初の海外支店をシンガポールに開設した。スイスの外貨準備(3月末時点で4300億スイスフラン)のほぼ半分はユーロで構成されているが、アジア資産の占める割合を高めたい考え。3月末時点で円が外貨準備に占める割合は9%まで上昇。「その他通貨」に分類している豪ドル、シンガポールドル、韓国ウォンなどは5%を占めた。


<台湾>

 台湾中央銀行の彭淮南総裁は10月2日の立法院での答弁で、外貨準備として中国人民元をすでに保有していることを明らかにした。


<オーストラリア②>

 オーストラリア準備銀行(RBA)が10月に公表した2013年6月期(12年7月~13年6月)の年次報告で明らかになった外貨準備の通貨別保有比率は、米ドルが45%から55%に上昇。ユーロは45%から35%に低下。円とカナダドルはそれぞれ5%で変わらず。中国人民元についてはすでに述べたように、RBAの副総裁が保有計画を4月に表明しており、中国人民銀行から60億元相当の中国国債を購入することで承認を得ている。ただし、実際の購入はまだ行われておらず、購入を行う時期も明示されなかった。


<南アフリカ共和国>

 南アフリカ準備銀行(SARB)のミネレ副総裁は11月5日の講演で、米国における量的緩和の縮小で予想される米国債の利回り上昇(価格下落)に備えて、中国人民元のほか、韓国ウォン、豪ドル、ニュージーランドドルなどに外貨準備の運用通貨を多様化する方針を明言した。中国人民銀行はSARBに対して約15億ドルの人民元投資枠を認可しており、同副総裁は「中国債券市場は世界で5番目の大きさで、急速に深さと流動性を増加させている」と指摘した。

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「超低金利長期化+円安=存在感低下」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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