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2014年も試される日本の影響力

「上」をキーワードに“第4の矢”へ期待

2013年12月24日(火)

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 今年も残りわずかとなり、来年に向けての準備で忙しくなっている方も多いだろう。私たちエコノミストも同様だ。今年を振り返りながら、新しい材料も加えつつ、来年の経済動向を占うための分析の精度を少しでも増そうと、ラストスパートに入った感じだ。

「世界で最も影響力のある人物」上位に中銀総裁の面々

 今年はどんな年だったか。世界の経済情勢を振り返る上で、大いに参考になるのが、米「フォーブス」誌が毎年発表する、「世界で最も影響力のある人物」ランキングだ。2013年版は10月30日に発表され、世界の人口推計72億人に対し、1億人に1人の割合である72人が選出された。

 今年の話題は、過去4年間で3回も首位を獲得していたオバマ米大統領が2位に転落したことだ。2期目のオバマ米大統領は、財政協議の難航で一部政府機関の閉鎖と統率力の弱まりを反映したことが痛かったようだ。2014年は11月4日に米国中間選挙を控えており、米政治動向には特に注目が集まりそうだ。

 一方、今回、首位となったのがプーチン露大統領だ。シリア問題の対応で外交力が評価されたと見られる。ロシアは来年2月にソチ冬季五輪が控えているなど、話題が豊富だ。今年は全般に停滞感が際だった新興国経済は、ロシアを象徴として、来年こそ持ち直し機運が強まっていくことが期待される。

 このランキングの上位には、世界の中央銀行のリーダーたちも顔を並べる。欧米の中央銀行総裁はトップテン入りしており、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が7位、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9位だった。

 バーナンキ議長については、量的緩和の縮小に関する発言で、今年5~6月に世界の金融市場で混乱を招いた。なかでも、資金流出が加速した新興国では、その後も経済の停滞感が続いている。

 9月のFOMCで先送りされた量的緩和縮小も、年内最後の12月ではついに、月額の債券購入額を850億ドルから来年1月に750億ドルに減額することを決定。「フォワードガイダンス」の強化(インフレ率が長期的な目標2%より低くとどまるようなら、失業率が6.5%を下回っても相当な期間、低金利を維持する公算大)との合わせ技であったことから、長期金利は若干の上昇にとどまり、株価は大幅高と好感した。バーナンキ議長は自ら、最後の花道を作ったと言えそうだ。

(出所)米商務省、米労働省、SMBCフレンド証券

 ドラギ総裁はと言うと、5月と11月の2度に渡ってサプライズ的な利下げを決定し、話題をさらった。欧州経済は最悪期を脱したとは言え、その足取りはまだ鈍く、ディスインフレ懸念も払拭できない状況だ。欧州では来春のストレステストの結果が注目される。

 ランキングには、新しい顔ぶれもあった。72位と最下位ながらランクインしたのが、今年10月にバーナンキ議長の後任候補と指名された、FRBのイエレン副議長だ。

 イエレン氏は2014年2月1日に、1913年のFRB創立以来、初めてとなる女性議長に就任する。彼女は67歳。1946年8月13日にニューヨークの下町、ブルックリンのユダヤ系家庭に生まれた。71年に名門エール大学で経済学博士号を取得し、専門は失業問題だった。夫は2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフ氏で、子息も英国の大学に勤める学者一家だ。これまでFRB理事、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長、サンフランシスコ連邦準備銀行総裁を務め、2010年にはFRB副議長に就任し、これまでの量的緩和政策を支えてきた。

 来年は米国が量的緩和の縮小ペースとメッセージの出し方を間違うと、改めて世界の市場の混乱を招きかねない。金融政策の難しい舵取りを任されたイエレン氏は、雇用回復を重視し、緩和には積極的なハト派とされる。おそらく、ゆっくりとしたペースで量的緩和の終了に向かうことになるだろう。イエレン氏が新たなFRB議長として、2014年の世界の金融市場にもっとも影響力のある人物になることは間違いないだろう。

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「2014年も試される日本の影響力」の著者

岩下 真理

岩下 真理(いわした・まり)

SMBCフレンド証券エコノミスト

市場部門での長年のエコノミスト経験を生かす数少ない女性「日銀ウォッチャー」。わかりやすく楽しい解説がモットー。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会幹事を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長