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労働市場改革のヒントはドイツにある

2013年12月25日(水)

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 前回に続き、日本の労働市場の流動化について考えてみたいと思います。労働市場を流動化する目的は、「失業なき円滑な労働力移動」が常に可能な状態を達成することに尽きます。企業レベルでも産業レベルでも、運悪く自分が働いている会社や産業が業績不振に陥ることは、誰にでも起きうることです。そうした際に、個々の労働者が他の会社や産業へとスムーズに転職することが出来れば、失業による貧困が避けられ、マクロ的にみても所得の上昇に繋がります。

 常に「次の仕事」が即座に見つけられるに越したことはありませんが、現実には職探しの期間が必要であり、失業をゼロにすることは不可能といってもよいでしょう。問題は、広義の失業者――すなわち、失業統計上の失業者に加え、現在、求職活動を行っていないが潜在的には就労意欲がある者――を、可能な限り減らすことによって、働ける人材全員が労働参加できるように、日本の雇用市場の慣習や制度を変えていく必要があります。

高失業率と就業率の世代間格差を是正したドイツの改革

 「言うは易し」と思われた読者は多いでしょう。確かに、失業の問題は、歴史的に見ても大変難しい課題です。しかし、近年、実際に長期失業率を引き下げることに成功した国があります。かつて「欧州の病人」と呼ばれたドイツです。1998年に発足したシュレーダー政権が、2000年代前半にかけて行った改革は、最近、日本でも広く知られるようになりました。2003~05年にかけて「ハルツ改革」(ハルツ第Ⅰ~Ⅳ法)と呼ばれる抜本的な労働市場改革が行われたほか、2003年に労働市場、社会保障制度、医療保険・年金制度など広範にわたる構造改革プログラム「アジェンダ2010」が発表され、順次実行されました。

 これら一連の改革における労働市場関連部分は、以下の4つのポイントに整理することができます。 まず、①失業給付期間の短縮化や失業給付基準の厳格化に加え、②解雇保護法の適用されない事業所の範囲を拡大するなど、一見、労働者(失業者)に対して厳しい改革が実行されました。①の点を若干補足すると、従来の「失業扶助」と「社会扶助」(日本の生活保護に相当)の一部を統合した上で、就労可能な者の失業登録を義務化し、正当な理由なしに紹介された仕事を断った場合は給付額の削減措置がとられました。

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「労働市場改革のヒントはドイツにある」の著者

武田 洋子

武田 洋子(たけだ・ようこ)

三菱総合研究所チーフエコノミスト

日本銀行を経て、2009年4月より三菱総合研究所政策・経済研究センター主任研究員(シニアエコノミスト)、2012年4月より主席研究員(チーフエコノミスト)。内外経済分析を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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