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「兎」と「切手」の“バブル”考

明治と昭和の2大ユーフォリアから読み解く今

2013年12月25日(水)

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 「バブル」とは、主として金融市場においてしばしば発生する、行き過ぎた資産価格の上昇局面のことを指す。言い換えれば、足元のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の状況や現実的な将来見通しとは乖離した資産高のことだ。

 このバブルは、金融緩和の長期化による過剰流動性の存在と、「ユーフォリア的ムード」の広がりという2つの条件が揃った時に発生しやすくなる、というのが一般的になされている説明である。

 インフレのリスクが乏しい時には過剰流動性の条件が整いやすく、景気が順調に拡大している時にはユーフォリアが起こりやすい。したがって、経済運営が順調に見えるときにこそ、バブルという「落とし穴」を警戒すべきなのである。

 「世界経済は、スープの温度の加減がちょうどよい『ゴルディロックス』だ」と言われた時が、実は米国の住宅バブルが崩壊して世界経済が危機に突入する直前だった、というのは、まだ記憶に新しい話だ。

群集心理の帰結がバブル生む

 日銀の前総裁、白川方明氏は総裁在任中の2012年12月3日に行った講演で、ユーフォリアの広がりについて説明したことがあった。「なぜバブルは発生するのか」という問いに対する1つの答として、「行きすぎた楽観論の拡がり」を指摘した白川氏は、「市場参加者が強気になりすぎると、市場価格が歪められ、行きすぎが生じる」と解説。「金融商品の本質的な価値が観察できないことから、完全に合理的に行動する市場参加者の間でも発生し得る」とした上で、「何らかの理由で市場参加者の間にほかの市場参加者が価格上昇を予想しているという見方が広まると、本質的な価値の動向にかかわらず市場価格は上昇する。そうした自己実現的な動きが価格の行きすぎを生じさせ、ひいてはバブルにつながる」と説明した。

 「市場参加者が行う価格形成は常に合理的なものだ」という伝統的な経済学の仮定は明らかに誤っており、実際には群集心理のようなものが価格形成に大きく寄与する場合があるわけで、その1つの帰結がバブルということなのである。

 では、バブルは金融市場においてのみ形成されるのだろうか。そうではない。世の中の大きな変化をきっかけに一般庶民の間で起こったバブルが、明治以降の日本には2つある。

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「「兎」と「切手」の“バブル”考」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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