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居場所を失った技術者の生き方

どう考える、「技術」「人材」流出

2013年12月26日(木)

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 日本のプロ野球から米大リーグに移籍し成果を挙げている選手は、イチローをはじめ少なからずいる。今後も増えていくであろう。そういう選手たちを日本人の多くは応援している。

 もちろん、日本のプロ野球が寂しくなるという嘆き声も一部で聞こえる。だがそれ以上に米国で活躍する姿にエールを送っているわけだ。ポスティングシステムが改訂され、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大選手の去就にも注目が集まっている。

 サッカー界もしかり。日本のJリーグから欧州各国のリーグへの移籍は年々増加している。本田圭佑選手をはじめとする海外リーグで活躍している選手の存在は、サッカーファンのみならず日本人は誇らしげに感じているはずだ。人材流出だと感じている人たちでさえ、その思いを口にしないだろう。

 日本のサッカー界では、1流の人材が海外に移籍した結果、日本で活躍している選手は2流以下と揶揄されることまである。海外移籍した選手を応援することはあっても、日本に対する裏切り者とは表現しない。

 音楽界も同様だ。欧米に留学し、その後、現地で活躍する日本人は多い。ベルリン・フィルハーモニーの若きコンサートマスターである樫本大進氏はその典型だろう。音楽を始め芸術界では人材のグローバル活動が、どんどん進んでいる。

製造業で技術流出を防ぐには

 それでは、筆者が身を置く製造業における海外移転は技術流出につながるのか。答えはイエスでもありノーでもある。

 中国における自動車メーカーのビジネスは、中国政府の方針により現地の自動車メーカーとの合弁が義務づけられている。中国という巨大な市場に参入しようと考えた場合、海外移転は避けられない状況だ。

 このため、自動車業界では技術流出の対策に敏感だ。例えば、トヨタ自動車は中国でのハイブリッド車生産について、基幹部品を日本から輸出、中国では組み立てだけを実施するビジネスモデルを展開してきた。モーターや電池などの基幹部品の技術流出を懸念しての判断に他ならない。

 そのトヨタが中国市場のさらなる開拓のために、今後は基幹部品の開発から生産まで一貫して現地で実施するという。大局的な判断だと思うが、技術流出の懸念よりもビジネス拡大に向けてのチャンスと考えたからだろう。流通や生産を現地化することによるコスト削減で多くのメリットがあるとすれば、どうやって技術流出を防ぐかを考えれば良い。

 日本企業は韓国や中国での生産を検討すると、すぐに技術流出というイメージを抱きすぎではないか。海外進出した際のビジネスメリットという攻めの考えと、技術流出をいかに防ぐかというリスクヘッジが欠如していたように見える。

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「居場所を失った技術者の生き方」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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