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中国、政府債務30兆元をどう評価する?

破綻はないが、好景気はもう来ない

2014年1月7日(火)

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 2013年秋。中国、華東地域の某所。きれいに整地された工業団地の端から端まで、クルマで普通に走って20分ほどもある。進出した外資系企業は数百を数えるが、まだまだ空地は多い。しかも、隣接地は別の工業団地だ。

 上海までは鉄道で2時間もかからない。オフィスや工場の賃料、地方税の優遇もある。大気汚染の状況を日本と比べるのは酷だが、北京など華北、東北部と比べればずっとマシだ。ワーカーの賃金も、平均すれば月額3000元(約5万1000円)台という。ここに現地法人を構えた日系企業のトップは、「こんなにバランスの取れた場所が残っているとは思わなかった」と満足げだった。

 ここに投資しようとする企業にとっては良いだろうが、中国政府の債務問題の報道がかまびすしくなる中、やはり採算が取れるのかが気になる。工業団地の投資コーディネーターにこの件を尋ねると、「いや、まあ、目先の資金が回れば良いんじゃないですか。役人の評価も、どれだけ誘致したかで決まりますし」という答えだった。相変わらずだ。

 帰国後に調べてみると、この地方政府が「融資平台」を設立した、という報道がいくつも出てくる。融資平台は平たく言えば地方政府などが作る第3セクターのようなもので、融資平台が債券を発行したり資金を借り入れたりし、それを元手に公共事業を手掛けるのが基本形だ。抜け穴のように見えるが、地方政府は一般に債券発行も赤字予算の策定も禁じられているので、こうするより仕方ないのだ。

中央12兆元+地方18兆元=30兆元

 中国を揺るがしかねないと、アンチ中国派を喜ばせた債務問題は、このように広がっていった。地方政府の役人、政治家と言えども全員が悪代官という訳ではないが、目に見えやすい数字で考課される仕組みなら、とにかく走るしかない。チェックは働かないので、経費の使い方が乱暴だったり発注に情実が絡んだりすることは、このシステムに“組み込まれている”。

 その結果、中国が抱える債務はどれだけ膨らんだか――。この数字すらも信じられないかも知れないが、2013年末に中国政府が出した答えは30兆元(約510兆円)を少し超えた数字だ。

 時期は2013年6月末ということになっている。中国政府は昨年夏から債務の査定を始めた。5万4000人余りを投入し、日本で言う町村レベルの自治体も調査に加えた。立ち入った融資平台は7000を超えたと言う。

 大雑把に言えば、狭義の債務が中央政府、地方政府(の合計)がそれぞれ10兆元弱、11兆元弱。日本で言うところの「偶発債務(現時点では債務ではないが、何らかの理由で債務になり得るもの)」が10兆元弱あるイメージだ(偶発債務と言っても、債務保証に近いものもあれば、一部負担が生じるものもあるが)。

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「中国、政府債務30兆元をどう評価する?」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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