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国は北本市の住民投票結果を見習え

「人口減少社会」を正視し始めた“草の根”の動き

2014年1月9日(木)

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 2014年が幕を開けた。気分一新で今後の日本経済の行く末を見極めようとしている筆者にとって、改めて考えさせられる出来事が昨年末にあった。

 全国的にはそれほど大きなニュースにならなかったようだが、とても画期的と受け止めた出来事、それは昨年12月15日に埼玉県北本市で行われた住民投票の結果だ。

新駅建設が中止に

 JR高崎線の北本~桶川間に、地元の負担で新しい駅を建設することの是非が問われたこの住民投票の結果は、賛成8353票、反対2万6804票(投票率62.34%)となった。投票者4人のうち、ほぼ3人が反対票を投じたのだ。1票でも多い方の意見に従うと明言していた同市の石津賢治市長はこの投票結果を受け、新駅建設計画の中止を決めた。

 北本市は約30年前に駅の誘致活動を始めたという。新駅建設に必要な建設事業費は約72億円で、うち国庫補助金(社会資本整備総合交付金)が約15億円、市民・企業からの寄付など約6億円を除いた市の財政負担は約51億円という、かなり大きな金額だ。それだけコストがかかってでも、市長を含む新駅賛成派が重視したのは、周辺地域への人口流入、利便性の向上、地元経済の活性化といったメリットだった。

 住民投票の実施を市民に告げた市のホームページは「なぜ、新駅が必要なのか」を以下のように説明していた。

 北本市の人口は平成17年1月の7万1241人をピークに、平成25年10月には6万9038人となり、減少が進んでいます。また国の推計では平成42年(2030年)には6万人を切ると予測されています。

 人口減少は、まちの活力の低下を招くとともに、福祉や公共事業など、行政サービスにも大きな影響を与えますが、新駅の設置は人口増加を促し、賑わいとふれあいを創出します。新駅周辺の地域のみならず、市全体の活性化の『核』となり、50年後、100年後の市民に残す貴重な財産となるものです。

 その上で、北本市のホームページは「新駅による効果」として、①「新駅が持つ様々な機能」、②「人口の増加」、③「税収の増加」、④「建設による経済波及効果」の4つを挙げた。

コメント3件コメント/レビュー

関東圏ではないので東京駅までどれぐらいの距離なのかも判っていませんが、そういう住民投票があったこと自体は知っていました。TV番組で埼玉県民は長時間通勤・通学者比率が全国レベルでも高いと言われていたのも、ひとえに東京方面に通勤する人が多い一方で、同じ沿線なら東京都内には住まないということに起因するのだろうとも想像します。都外を選択した理由は支払い能力が不足して住めないのか、可処分所得を増やすためあえて都外に居住したのかは各自の判断でしょうが、仮に前者なら居住市の税収は増えないことになります。その人の収入が増えれば、確実に都心へ向かって転居するためです。少子高齢化は全国規模の話なのですが、それを無視して「憲法上の転居の自由」が収入や労働環境に左右されがちである以上、都心から離れた都市の人口増は利便性と地価のバランスでしか期待できません。関西でも人口減都市が多いなか草津市が突出しても増加しているとされるのも、大阪駅からJRで約1時間ながら3LDKマンションが大阪・京都より1千万円ほど安いことによるからでしょう。短期的に人口増が見込めなければ高齢化は加速しかありえません。財源は知りませんが、大阪駅から1時間圏内のJR、私鉄がこの数年間でいくつも新駅を開業しています。新駅が不要と判断することは当事者の自由とは思いますが、反対派が近未来の自治体収支悪化については何も考えていないとも思います。(2014/01/09)

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「国は北本市の住民投票結果を見習え」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

関東圏ではないので東京駅までどれぐらいの距離なのかも判っていませんが、そういう住民投票があったこと自体は知っていました。TV番組で埼玉県民は長時間通勤・通学者比率が全国レベルでも高いと言われていたのも、ひとえに東京方面に通勤する人が多い一方で、同じ沿線なら東京都内には住まないということに起因するのだろうとも想像します。都外を選択した理由は支払い能力が不足して住めないのか、可処分所得を増やすためあえて都外に居住したのかは各自の判断でしょうが、仮に前者なら居住市の税収は増えないことになります。その人の収入が増えれば、確実に都心へ向かって転居するためです。少子高齢化は全国規模の話なのですが、それを無視して「憲法上の転居の自由」が収入や労働環境に左右されがちである以上、都心から離れた都市の人口増は利便性と地価のバランスでしか期待できません。関西でも人口減都市が多いなか草津市が突出しても増加しているとされるのも、大阪駅からJRで約1時間ながら3LDKマンションが大阪・京都より1千万円ほど安いことによるからでしょう。短期的に人口増が見込めなければ高齢化は加速しかありえません。財源は知りませんが、大阪駅から1時間圏内のJR、私鉄がこの数年間でいくつも新駅を開業しています。新駅が不要と判断することは当事者の自由とは思いますが、反対派が近未来の自治体収支悪化については何も考えていないとも思います。(2014/01/09)

支出を増やす前に借金を減らす。誰から見ても当たり前のことが出来ないのは、役人が税金を他人の金だと考えているからに他ならないでしょう。使えるものは使ってしまえ、と。財政が破綻したら、官庁街にもリストラの嵐が吹き荒れる事になるという当たり前の危機感が持てないのは、自分だけは大丈夫と言う思考バイアスから抜けられない人の性でしょうけれど、それは裏を返せば確たる自覚をもって考えていない証拠ですね。(2014/01/09)

マスメディアでも何度となく取り上げられながらも、覚悟の無い政治家と選挙に行かない国民の責任で、国家支出の削減は先送りされ続けています。少子高齢化が進む日本では国家収入を増やすのは限りがあるのに、それでも支出削減から逃げ続けている。消費増税の前に、国家財政が、どこにどのように使われているのか。それをまず透明化することが重要だったはずです。自民党から民主党へ政権が移った時のことを覚えているでしょうか?政治が、行政が、余りに国民からわかりにくく、見えない所で多くの事が決まりすぎていたからではなかったでしょうか。アベノミクスで浮かれている場合ではないはずです。(2014/01/09)

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