• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“時間価値”という補助線で浮かび上がる新しい経済秩序

全ての商品・サービスが、消費者の24時間を奪い合う時代に

2014年1月21日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 我々の目の前で日々起こっている企業の経済活動や各人の消費行動は、漠然と観察する限りにおいては種々雑多です。そして、細分化して分析すればするほど、その多様性や不規則性が強く主張され、構造としての法則性や科学性を発見することが至難の業に見えます。特に、企業や消費者の嗜好が加速度的に多様化している現在では、法則性や科学性の端緒さえ見えにくくなっています。

 しかしながら、皆さんも小学校の算数や中学・高校の数学・幾何の授業で、「補助線」を引くことによって、今まで建付けがよく分からなかった表象が、瞬時にして明白な構造として大脳に映像化された経験があると思います。

 今回スタートする「時間資本主義の時代」の連載は、「補助線」を提示することで、現在生じている経済活動や消費行動といった多様で不規則な事象を、分かりやすい構造として提示しようとする試みです。

 この連載で扱う補助線は「時間価値」という考え方です。

 「時間価値」という考え方は、我々の生の営みを観察する上で、古くて新しい「補助線」です。古来より、我々人間が意識的にも無意識的にも、時間を常に感じ、多くの文学や宗教でその希少性や重要性について語られ、表現されてきました。しかし、この連載は、こうした文学的や宗教的な時間観ではなく、経済学や社会学といった観点から「時間価値」という「補助線」を使って、現代の企業行動や消費行動をひも解いていこうと考えています。

人間がどうしても克服できない制約、それは「時間」

 まずは、「時間価値」という概念から説明しましょう。

 「時間価値」という言葉は、文字通り「時間」の「価値」です。この後者の「価値」とは、そもそも制約や希少性から生まれるものです。この世に無限に存在していて、誰もが容易に入手できるものには、企業や消費者は「価値」を見出しません。

 歴史を振り返ると、我々人類は、制約条件からの解放というグレートジャーニーを旅してきたと言えます。狩猟生活から農耕生活への移行、衣服・道具・火の活用、など自然状態という制約条件からのサバイバルで人類史はスタートしています。そこまで振り返らなくても、中世から近代にかけて、我々人類のうち先進国に所属していた人間たちは、身分・移動・職業選択・収入・情報など、様々な制約条件に縛られていました。

 しかし、近代後半からは、ロックやルソーなど自然権や社会契約説といった近代思想の導入、産業革命や市場メカニズムの導入によって、身分・移動・職業選択・収入など多くの制約条件は希薄化してきました。また、近年の情報技術の進展などによって、一部の権力者によって握られて制限されていた膨大な情報もフラット化しました。換言すれば、近代の人類史とは、大脳という道具をフル活用して科学や思想を操り、様々な制約条件からの解放を志向してきた知の営みと言えます。

 しかし、どうしても克服できない制約条件が残っています。それは「時間」です。

コメント6

「時間資本主義の時代」のバックナンバー

一覧

「“時間価値”という補助線で浮かび上がる新しい経済秩序」の著者

松岡 真宏

松岡 真宏(まつおか・まさひろ)

フロンティア・マネジメント代表取締役

野村総合研究所、バークレイズ証券、産業再生機構などを経て、2007年にフロンティア・マネジメントを設立。経営コンサルティング・M&A・事業再生を軸に経営支援を行っている

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

実は事業継承の覚悟って、そんな大それたものではないんですよ。

高田 明 ジャパネットたかた 創業者