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日本を強くするリーダーシップのあり方とは

最終回 国際社会で揶揄されないために

2014年1月17日(金)

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 9回にわたって“グローバルビジネスエリートの掟”というテーマで、筆者の40数年のマルチナショナルでの経験を拙文にて書かせて頂いたが、これが最後になる。ほんの少しでもお役に立てれば望外の喜びである。でも随分厳しいご批判や痛烈なパンチを頂いた。日本の為と思っての辛口だった。この点はお許し頂きたい。

 現在、益々複雑になる世の中で、物事を引っ張っていくにも解決するにも、良いリーダーに頼ることが多くなっている。世界中あらゆる分野に於いて良いリーダーが求められている。人間関係と和を重んじる日本では、ボトムアップが好まれ、リーダーシップというものはいろいろな意見をまとめ、コンセンサスを作ること、と思われがちだ。確かに民主主義の世界では、コンセンサスはもちろん重要だ。

 しかしビジネスの世界はじめ、あらゆる活動に於いて全てのことには具体的な目的がある。その目的が本当に分かっているのか、そしてその目的をどう達成するのか、について、一人ひとりの知識や情熱、また経験に於いて大きな濃淡の差がある。それにも拘わらず、一人一票で、これを足して割った様な平均を結論にするとか、コンセンサスを出しても、必ずしも答えにはならないし、それを出すことがリーダーシップとは言えない。しかも、“全員一致”のコンセンサスを作るには時間もかかるし、その結論は妥協の産物となって、多くの場合は玉虫色になるか、ピントがぼけることになる。

 筆者が40数年の間、国際社会の中で勤務し、社外役員やアドバイザーとして関与した数十社の多国籍企業での実体験から申し上げる。国際社会に於いてはっきりしているのは、リーダーとは、「正しい目的は何か」がはっきり分かっている人だ。そして何故それが正しいのかを明快に説明することができ、人々に納得せしめることが出来る、そしてその目的に向かって適材適所の人材配置ができ、人々をついて来させることができる人だ。色々な意見のまとめ役ではない。

国際社会から揶揄される日本のリーダーシップ

 リーダーは同時にタフであり、実行の人であり、人をついて来させる魅力ある人間でなければならない。即ち、人の話は聞くし、基本的に人に奉仕したいという謙虚な人でなければならないし、何と言っても判断力が優れていないと駄目だ。

 現在、日本の企業文化に於けるリーダーシップについて国際社会からよく揶揄されることは(あまりに決断が遅いということに端を発する批判なのだが)、内部の人間関係があまりに大事になっていることに端を発すると思われる。

 その批判の典型的なものは、たとえば“goal-oriented”でなく目的のためになかなか直接的な行動がとれない、異論が言えない、チームの和を乱す様な決断ができない、一方で上司との絶対的な上下関係、公正さよりも上司との人間関係、適材適所よりもチームの和、人間関係を守るために建前・本音や曖昧さが横行する、などだ。こんなことを言われているのでは残念だし、誠に困ったことだ。

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「日本を強くするリーダーシップのあり方とは」の著者

安田 信

安田 信(やすだ・まこと)

安田信事務所社長

1937年生まれ。学習院大学卒業、米イリノイ大学大学院修了(会計学修士)。日・米・アジアなどにおける数多くの多国籍企業の世界で40年を超えるキャリアを持つ。87年、安田信事務所設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官