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「時間資本主義」という怪物を生み出した情報通信の発達

情報の価値が激減し、リアルな時間消費へのシフトが進む

  • 合田 泰政

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2014年2月4日(火)

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 第3回となる今回は、「時間資本主義」の進展を可能とした情報通信技術の発達とそのインパクトについて触れておきたいと思います(前回はこちら)。

 19世紀に実用段階に達した電気通信は、20世紀末に至るまでそのアプリケーション(用途)が電信と電話に限られていました。これは主として伝送速度や容量の限界から、比較的短い文書や音声通話といった小さなデータのやり取りしかできなかったことに起因していました。

 しかしその後、(1)インターネットという新しい通信ネットワークの登場、(2)半導体技術の発達による処理能力の高い情報通信機器の開発、(3)光ファイバーの実用化といった物理的な伝送技術の革新、(4)より高度な変調方式の開発、などの要因により伝送速度は飛躍的に向上しました。

 このことが現在のネット環境を支える技術的な背景となっていることは言うまでもありません。

バーチャルな情報の取得から、リアルな実体験の時間消費へシフト

 では、このインターネット時代の到来によって、我々の生活はどう変化したのでしょうか。

 最初の大きな変化は、グーグルに代表されるロボット型検索エンジンの発達によって、能動的な情報検索に対して即座に情報取得が可能になったことです。当初インターネット上での情報提供元は、一部の企業や公的機関、ごく一部のマニア的な個人が中心でした。

 しかしブロードバンドの普及に伴い、広く一般個人・消費者もがCGM(消費者生成メディア)やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて情報提供元となるに至り、ネット上での情報蓄積は飛躍的に進んできています。このように情報源の多様化と情報量の飛躍的増大、そしてそうした情報取得の時間とコストの顕著な低下を見るに至りました。

 かつて、情報は極めて貴重でした。ワーテルローの戦いでナポレオンの敗戦をいち早くつかんだロスチャイルド家が巨額の利益を上げた例など、情報の取得自体が困難であった時代には情報そのものが貴重な「財」でした。しかし誰もが情報を瞬時に入手できるようになった現在では、情報そのものの価値も低下してきています。

 では、情報に代わって何の価値が上がっているのでしょうか。NHKが5年ごとに実施している「国民生活時間調査」の2010年調査結果では、その5年前との比較で平均時間量が減少している行為として新聞及び出版物への接触時間があった一方、インターネットの時間量が増えています。

 これに加えて、もう一つ、時間量が増加している行為がありました。それは「行楽・散策」です。調査日の天候の影響も割り引かなくてはいけませんが、若年から中年層では週末、高齢者層では平日の時間量が増えています。これはどういうことでしょうか。

 我々は情報を容易に手にした結果、今度は“本当に欲しかったもの”へと時間をより振り向けるようになってきているのではないかと考えられます。つまり、バーチャルな情報の取得から、リアルな実体験への時間消費のシフトが進んでいるのです。

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