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「90歳まではやる」永守重信の秘策

「これ以上叱ったら殺されるかもしれない」というまでやった若き日

2014年1月21日(火)

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 「ブラック企業みたいなことを書かないでよ」。ハードワーキングを自ら実践し部下にも求める。口を開けば、あけすけな物言いである。日本電産の永守重信社長(69)は一見、無茶苦茶な経営者のようなイメージを振りまく。ところが、それは表面上のことだ。高いIQ(知能指数)に裏付けられたモーレツが、ゼロから始めて約40年で2013年3月期に売上高7000億円あまり、連結従業員数約16万人の企業をつくり出した鍵なのである。

 昔から「情熱、熱意、執念」を信条として繰り返し語ってきた。「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」とともに同社の3大精神になっている。これだけを聞いて、ただの奇矯な人物と思ったら、だまされる。自分の成功の原因を客観的に分析して、戦略に生かす巧緻さを併せ持っている。

 事業をどう成長させるかについて、経営者には天性のセンスが欠かせない。しかし永守は、動物的勘だけに頼る感性人間ではない。1973年7月に京都市で、仲間3人と28歳で創業した。以来、小型精密モーターで世界1のメーカーにのし上がるのに、前述の3大精神を地で行く、しゃにむに突き進む馬力が大いに預かったことは間違いない。

 だがベンチャービジネスにも適切な経営戦略がなければ、ただでさえ低い成功の確率がさらに下がる。とはいえ永守も最初から、今日までの道筋を見通していたわけではないだろう。小型モーターを祖業として選んだのは、偶然である。創業して17年後、「別に最初から電機でなければいかんということはなかったが、結果的によかった。原子力みたいにごついものでは、駄目だったろうね」と振り返っている。

技術者出身でありながら技術志向ではない

 80年代前半、薄型モーターの勧業電気機器や産業用ロボットの大日機工などのベンチャービジネスが現れて脚光を浴びた。当時、永守は取引先の銀行から「勧業電気が急成長しているが、お宅は大丈夫か」と尋ねられたほどである。しかしいずれも倒産に至っている。勧業電気は素晴しい技術を持っていたのに、なぜ失敗したのか。永守はこう分析している。

 「『うちの技術は世界一だから売れる』と思うのが間違いや。僕は1にも2にもマーケティング、セールスつまり販売力が決め手だと思っている。3、4がなくて5番目に開発、10番目に生産だ」。技術者出身なのに、技術志向とは対極の考え方である。「勧業電気のようにベンチャーは1から10まで開発重視が多い。商品が1つだからピストルのようなものだ。大企業は機関銃だから、ぼやぼやしてれば、たちまちやられちゃう。注文があっての会社だよ」

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「「90歳まではやる」永守重信の秘策」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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