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成長率は急低下だが実勢は堅調に推移

2014年度の日本経済を予測する

2014年1月22日(水)

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 このコラムでは、しばしば私が大学で実際に行っている講義を材料にして話を進めてきた。今回は「2014年度の日本経済をどう予測するか」という問題を、同じく私の講義に基づいて説明することにしよう。

 読者の方々は、「自分は、来年度の経済がどうなるかを知りたいのだから、さっさと来年度の経済がどうなるかを説明しろ」と言いたくなるだろうが、私は、予測結果も大事だが、予測のプロセスも重要だと考えているので、少し我慢してほしい。

なぜ経済学者は景気予測をやらないのか

 私は大学で「日本経済論」という講義を受け持っているのだが、その中に「経済予測」という1コマがあり、経済予測の手法を説明した上で、実際に景気予測を行って見せている。多分、大学の経済学の授業としては珍しいだろう。なぜなら、大学の経済学の研究者は普通、景気予測をやらないからだ。なぜやらないのか。考えられる理由は2つある。

 1つは、業績にならないことだ。当面の景気予測について論文を書いても、学術的な論文とは見なされないし、そもそも「原稿提出」→「査読」→「論文の修正」などと何カ月もかけていたら、実体経済の方がどんどん変化してしまうだろう。

 もう1つは、予測が当たったからといって、立派な研究者だという評価にはならないことだ。予測は将来のことを当てようとするわけだが、達観して言えば、将来のことなど誰も分かるはずがない。仮に当たっても、「偶然当たっただけだろう」と言われて反論できない。

 しかしそれでも私は大学の授業で経済予測を取り上げている。これにも2つの理由がある。1つは、ニーズが大きいことだ。現実に生きた経済の現場で活動している人が圧倒的に知りたがっているのは、「これから経済はどうなるのか」ということだ。要するに将来のことを知りたいから経済を勉強している人が多いのである。

 もう1つは、将来は全くの偶然の結果ではないことだ。この点について私は次のように考えている。将来が確実である場合は、誰か1人が予測をすればいい。例えば、明日の日の出の時間は、確実に予測できる。すると、気象庁だけが予測して、それを公表すればいいということになる。従って誰も明日の日の出の予測はやらない。

 逆に、非常に不確実性が高い場合は誰も予測しない。例えば、宝くじの当たり番号を予測しようとする人はいない。予測しても無駄なことが分かり切っているからだ。

 では、景気の予測はどうかというと、多くの予測機関が予測をしている。後述する「ESPフォーキャスト調査」が対象としているのは、約40人のエコノミスト(または予測機関)である。これだけ多くの予測をする人がいるということは、景気の将来が宝くじほどは予測困難ではないことを示している。ただ、これだけ多くの予測をする人がいるということは、明日の日の出の時間ほどは確実ではないことをも意味している。

 つまり、景気の先行きを予測するということは「頑張って経済を調べ、分析すれば、ある程度の予測はできるのだが、それでも多くの不確実性が残るので、見方が多様に分かれる」ものだということだ。以下では、その「ある程度の予測をする」ための手法と考え方について述べた上で、それを実際の予想に適用してみることにしよう。

 なお、以下の内容は、当コラム2013年9月4日の「増税しても堅調な成長は維持できる」と重複している部分がある。同じ話を読むことになる読者には申し訳ないが、同じ人物が同じテーマで原稿を書けば、どうしても内容が重複するのは避けられない。ご容赦いただきたい。

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「成長率は急低下だが実勢は堅調に推移」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長