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マーくん獲得に182億円、ヤンキースは投資を回収できない

田中選手の商業的価値をはるかに超える移籍金

2014年1月24日(金)

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 ついに田中将大選手の移籍先が明らかになりました。若き右腕のハートを射止めた球団はニューヨーク・ヤンキース。7年総額1億5500万ドル(約161億円)という驚くべき条件で合意に達したと各メディアで報じられています。

日本人最高年棒を大幅に更新

 単純計算で、年俸は2200万ドルあまり(約23億円)。同じくヤンキースに所属し、メジャー通算68勝を誇る黒田博樹選手の日本人投手最高年俸1600万ドルを悠々と超えるばかりか、イチロー選手の持つ日本人選手最高年俸の記録1800万ドルをも大幅に更新する金額です。

 交渉権の対価となる譲渡金2000万ドルを楽天球団に支払う必要があるため、ヤンキースが田中選手の獲得に投じる資金は合計1億7500万ドル(約182億円)。いかに有望な選手といえども、この金額は田中選手の「価値」に見合ったものと言えるのでしょうか。

 昨年、毎日新聞の岡田功記者とハーバードビジネススクールのステファン・グレイサー教授が「How Major League Baseball Clubs Have Commercialized Their Investment in Japanese Top Stars」と題した論文を発表しました。直訳すれば「メジャー球団は、日本人スター選手への投資をどのように商業化してきたか」。

 野茂英雄、イチロー、松井秀喜、松坂大輔、福留孝介の5選手について、彼らが球団にもたらした経済効果を多角的に分析。それぞれの“費用対効果”を評価しようと試みています。

 論文から読み取れるのは、球団が享受する経済効果の指標として大きな意味を持つのが、選手獲得に伴う「追加スポンサー」と「追加観客数」の2つだということです。

 例えば1995年、ドジャースに入団した野茂選手の場合、スポンサー収入は劇的には増えなかったものの、登板試合の入場者数が通常より5000~8000人増加しました(当然、球場内でのグッズ販売にも貢献)。獲得コストが低く抑えられたこともあって、商業ベースでは「黒字」の補強だったと言えるわけです。

 同様の視点で考えると、日本で高い人気を集めていたイチロー選手や松井選手の加入は多くの日本企業からのスポンサー獲得に寄与すると同時に、日本人の入場者数増加という効果も生んで「大黒字」。しかし、獲得コストが高騰しながら、スポンサー収入や入場者数の増加に結びつけられなかった(球場がすでに満員だった)松坂選手や福留選手は「赤字」ということになります。

 それでは、田中選手の持つ商業的なポテンシャルは、金額にしてどの程度になるのでしょうか。実は私は、田中選手の移籍先が決定する前に、独自に試算していました。

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「マーくん獲得に182億円、ヤンキースは投資を回収できない」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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