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JAL、ホーチミン便が占う国との軋轢

2014年1月24日(金)

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 日本航空(JAL)が3月末から羽田―ベトナム・ホーチミン線を開設すると発表した。経営破綻で廃止・縮小した国内地方路線も、大阪・伊丹―長野・松本など6路線を復活する。羽田空港の国際線配分枠で「敗北」してから3カ月。航空業界の競争環境を巡り、経営の自由と「裁量行政」、さらには政治を巻き込んだせめぎ合いが再燃する懸念が出てきた。

JALが開設・増便する主な路線
(羽田発着国際線は3月30日から、国内線は夏季限定)
シンガポール週7便→14便に
バンコク週7便→14便に
ロンドン週7便で新規開設(以下、同)
ホーチミン週7便
大阪・伊丹―長野・松本毎日1便
大阪・伊丹―北海道・女満別毎日1便
札幌・新千歳―島根・出雲週4便
札幌・新千歳―徳島週3便
名古屋・中部―北海道・釧路週3便
名古屋・中部―北海道・帯広週4便

 航空法101条と109条。知る人ぞ知る、この法律がJALと霞が関・永田町の耳目を集めている。2つの条文は「航空会社は新規路線の開設など事業計画を変更する場合は監督官庁の国土交通大臣から許可を受けなければならない」「国交相は経営計画や運航の安全性に問題がなければ、各社の計画を阻害してはならない」という趣旨だ。航空会社が国交省の認可を前提に、自由に路線や便数を決められる法的な根拠のひとつになっている。

 しかし日本の航空業界を見ると、法的整理を経て経営を再建したJALがコスト面で優位に立ち、全日本空輸(ANA)ホールディングスは自助努力で応戦する対立構造が続く。国交省は昨年11月、羽田空港の国際線発着枠(午前7時~午後10時)を拡大する際、JAL5枠に対しANA11枠と決めた。この背景には、競争環境の公平性に配慮した霞が関・永田町がJALに対して「新規路線の開設は抑制的に考えるべきだ」との判断がはたらいたからだ。

 「JALに対し投資・路線計画について報告を求め、その状況を監視する」「羽田等の混雑空港の発着枠配分などの調整を通じて健全な競争環境の確保を図る」。国交省が2012年8月10日に作成した「日本航空の企業再生への対応について」と題する書類(通称「8.10ペーパー」)でも、JALの経営を従来以上にウオッチしていく姿勢がにじむ。

 太田昭宏国交相は「航空法109条、101条に基づいて判断する」と述べてきた一方、「敢えて申せば(JALは)これまでの再生の経過、また8.10ペーパーが取り決められた上での株式再上場であり、良識ある企業として振る舞っていただきたい」と強調してきた。そのスタンスは、経営の自主裁量を認めながらも、法的整理を経て甦った企業としての反省を促す「玉虫色」にも見える。

 しかし、JALが今回開設する羽田―ホーチミン線(往路JL079便)は深夜1時25分に羽田を発つ。国交省が「抑制的に判断する」としたのは昼間時間帯(午前7時~午後10時)で、079便の発着時間は対象から外れている。たとえ「8.10ペーパー」を基に国交省の裁量行政を振りかざしても、植木義晴・JAL社長は「今回の申請は航空法に基づいたものであり、認められないとは考えていない」という立場だ。

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「JAL、ホーチミン便が占う国との軋轢」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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