• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「ダークツーリズム」と福島第一原発

負の遺産を観光地化する唯一の方法

2014年1月31日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「福島第一原発観光地化計画」という企画が話題になっています。批評家・東浩紀氏やジャーナリスト・津田大介氏など、若手の論客が中心となって企画している福島復興計画で、東日本大震災で凄惨な事故を起こした原発を「負の観光資源」として活用しながら、地域の復興につなげていこうというものです。

 「負の観光資源」と言っても一般の皆さんにはピンとこないかもしれませんが、過去の凄惨な歴史を学び、その記憶をつないでいくための観光資源のことを指します。この種の目的をもった観光行為は「ダークツーリズム」と呼ばれ、注目されるようになってきました。我が国の代表例としては、広島の原爆ドームや沖縄のひめゆりの塔などが挙げられます。

ダークツーリズム

 福島第一原発観光地化計画では、これらの先行事例に倣い、事故を起こした福島原発を負の観光資源として整備した上で、福島に観光を中心とした復興事業を起こすべきと主張しています。具体的には、国内最大のサッカートレーニング施設として開発され、東日本大震災後は原発事故対応の中核拠点として利用されてきたJヴィレッジ(福島県楢葉町)に500億円の拠出を行い、原発事故に関連する展示学習施設や商業施設が一体となったビジターセンター「ふくしまゲートヴィレッジ」として再開発する計画を主張しています。

 実は昨年末、この計画の内容に批判的な私と、東氏との間で議論が起きました。それを受けて、津田大介氏のオンライン番組に招かれ、同計画に対する私なりの論評をお話しした経緯があります。

 初めに断わっておくと、私は「原発を観光地化する」という彼らのコンセプトそのものを批判しているわけではありません。私は彼らが日本のダークツーリズムの先行事例として例示している、広島で生まれ育った人間です。原爆ドームを横目に毎日通学し、平和記念公園を遊び場として育ちました。過去の凄惨な歴史を観光資源とする意義は十分理解しているつもりですし、そこに対してなんら違和感はありません。

 しかしそれでも、日経ビジネスにおいて、この記事を執筆するのには理由があります。今回の福島のダークツーリズムを巡る議論には、観光という産業の現実を考える上で盲点となりがちで、しかも見過ごせない論点が含まれていると考えるからです。

コメント4件コメント/レビュー

福島の広野や浪江やいわき市にある石炭火力発電所を観光地化すべきだと思います。大震災のすぐ後に復旧を果たし、石炭火力発電機の新設が目白押しです。その工事現場を観光地化することは、とても意義があることだと思います。(2014/01/31)

「マジメに考える「夜の経済成長戦略」」のバックナンバー

一覧

「「ダークツーリズム」と福島第一原発」の著者

木曽 崇

木曽 崇(きそ・たかし)

国際カジノ研究所 所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部首席卒業(カジノ経営学専攻)。カジノ合法化や風営法のあり方をテーマに、日々奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

福島の広野や浪江やいわき市にある石炭火力発電所を観光地化すべきだと思います。大震災のすぐ後に復旧を果たし、石炭火力発電機の新設が目白押しです。その工事現場を観光地化することは、とても意義があることだと思います。(2014/01/31)

カネ(税金・投資)を取って使ったものが勝ち。そんなメンタリティーが行政の施策には常に感じられます。実際の業務としては、計画立案、予算獲得、実行と、金を取って来てそれを使う事が主になるのではあっても、金を取る為にプランを立てる、と言う見方で常に事に当たっていると、目的と手段に対する意識が混濁してくるのでしょうね。(2014/01/31)

「ダークツーリズム」は根本的な矛盾をはらんでいる。現地では今この瞬間も二時間おきに広島型原爆と同量の放射線が漏れ続けている(事故から一年後の東電の公式発表による)。除去不可能のトリチウムは周辺の瓦礫や建造物を突き抜けると強力なエックス線に変換する。少なくとも二百年程度は観光バスは近づけない。廃炉従事者は生涯被爆線量限界まで働いて私たちの子供や孫、ひ孫へと引き継いでいくのが現実だ。そのころは東電正社員も原発メーカー社員、政治屋も誰も生き残っていないので、いまさら心配してもはじまらない。現実を直視して平穏に残された人生を過しましょうよ。30キロ圏内で避難していない南相馬市住民より。 PS 大熊町にカジノを開設し麻薬と売春を公認すれば世界中から決死の覚悟の観光客が押し寄せる。ことなんか・・・無いかぁ~。(2014/01/31)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長