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復活する米国証券化商品

市場経済活性化かクレジット・バブル前兆か

2014年2月3日(月)

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 新興国に関する不安については昨年10月にこのコラムで詳説した通りだが、年が明けてからも中国経済の鈍化予想やアルゼンチン・ペソの急落を契機に、改めてそのリスクが浮き彫りになっている。各国の株式市場では昨年来の超楽観ムードが修正され始めているが、そうした上下動は低成長時代には付き物の現象と言って良いだろう。

 脆弱さが顕著になってきた新興国に比べ、先進国はまずまずの成長ペースが期待されている。特に米国経済は今年3%以上の成長率を遂げる、との見方が強まっている。筆者はまだそこまで強気ではないが、昨年末の米国内でのガソリン消費量や化学業界の石油消費量を見ていると、確かに今回の強気説は過去数年間に浮かんでは消えた「期待先行」のムードとは違うかもしれない、とも感じている。

 雇用状況や物価上昇圧力という点では、本来の米国経済の姿からは未だに程遠い。サマーズ氏が語ったような低成長の長期化が予想される中で、大企業が現金を溜め込んで設備投資に向かわない状況が大きく変化することはないだろう。だが住宅市況と自動車販売という二本柱には確かな力強さが備わっている。

 特に昨年の自動車販売は前年比7.6%増の1560万台と2007年の1610万台に次ぐ水準まで回復し、大底となった2009年からほぼ5割戻しとなっている。2000万台を超えた中国には及ばないが、ガソリン価格の安定という順風にも助けられて今年も1600万台を突破する勢いが継続する、との見方が大勢だ。

急速に伸びた「サブプライムローン」販売額

 そんな自動車販売を金融面で支えるのが、証券化市場である。証券化商品(ABS)といえば、「サブプライムローン」という悪印象が残ったままであり、また悪夢の再来か、といぶかる人も多いかもしれない。実際に、昨今の自動車ローン証券化の発行には「サブプライムローン」を担保としたものが増えており、そんな「低信用力ローン」を組み込んだ証券化商品は、高利回りを求める投資家の熱い視線を浴びている。

 いかに物忘れの早い金融市場でも、数年前まではさすがに「サブプライムローン」を受け入れる機関投資家は少数であった。だが2012年末頃から徐々に変化が起き始めた。自動車ローンでは、住宅ローンと違って延滞率が低いし中古自動車の価値も安定している。

 そんな「サブプライムローン」を束ねて組成された証券化商品の販売は2013年に急速に伸び、発行額は前年比20%増の215億ドルとなった。市場では今年の発行額は250億ドル以上とも予想されている。

 一部には「サブプライム問題の再現」といったニュアンスで報じられることもあるが、担保価値が不安定な住宅ローン市場と単純比較することは出来ない。自動車ローン証券化商品全体に占める「サブプライムローン」商品のシェアは昨年24%まで上昇しているが、利回りに飢えた投資家の需要は旺盛であり、今年はさらに拡大しそうな気配である。

 2012年半ばから回復に転じた米国の住宅市況は、プライベート・エクイティ・ファンドなどの新規参入組によって強引に演出された印象が強く、住宅ローン金利上昇による影響も受けやすい。一方で自動車販売は、こうしたファイナンス・ルートの回復がかなり寄与しており、証券化市場の復活で安定的な推移が予想されているようだ。

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「復活する米国証券化商品」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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