「記者の眼」

「モノよりコト」で海外へ攻める日本企業

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2014年1月30日(木)

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 モノよりコト――。最近消費者のし好が、所有する価値から経験する価値へ移行しているといわれている。シニア世代を中心に消費者を攻略する手法として注目されている。

 日経ビジネス2014年1月13日号では日本人が働く日本企業によって、日本列島で生み出されたもの「メード・イン・ジャパン」に固執するのではなく、世界の資本や組織や人たちが日本と共に価値を生み出す(メード・ウィズ・ジャパン)ことを特集した。

 メード・ウィズ・ジャパンを実践するのにあたって「モノよりコト」をキーワードに取り組んでいる企業がある。そのひとつがリコーだ。

 リコーはインドで小学校にプロジェクターなど自社製品の納入を目指しているが、コトを重視した戦略をとっている。リコーでいうコトは授業だ。

 日本は1億人余りのほぼ同じ生活水準を享受する「世界で最も厚い中間層」が中心の国だ。全員が義務教育に通い、学校ではさまざまな授業を受けてきた。生徒の関心を引き寄せて理解が進むように、授業で使われる教材も進化してきた。

 そこでリコーは日本の教材開発会社と組んだ。日本で培った授業で使う副教材をプロジェクターなど機器とともに販売する。ただ機器を販売するのではなく、授業の中身を提案することにしたのだ。

 例えば太陽光発電の仕組みが分かる授業を提案し、模型や図など必要な教材もセットで販売する。これらを映し出す役割としてプロジェクターを売り込む。プロジェクターは3つの価格帯を用意し予算に応じて機種を選べる。

 ほかにも同社のデジタルカメラには顕微鏡の機能がついた機種がある。約2万円で発売しており専用機器よりも安い。顕微鏡で拡大した画像をプロジェクターで映し出す授業も提案する。

 インド国内には125万の小学校があるといわれている。貧しい地域も多く、先進国のようにタブレットを1人1台支給することはできない。プロジェクタで全員が見られる状況を作り出すことで授業を分かりやすくしようとしている。リコーの田中高信シニアスペシャリストは「日本のざっと20倍以上。これからIT化が進む大きな市場」とみる。

 この市場には韓国や中国メーカーなど競合他社も注目し、参入が相次いでいる。プロジェクターは機能で差異化できる点が少ない。価格競争に陥り利益をとれずに消耗戦となりかねない。プロジェクターというモノではなく、授業というコトを販売することで値崩れを防ぎ継続的な取引を目指している。

田植え実践し、良さアピール

 クボタも同様にコトを重視して海外進出に取り組んでいる。クボタが扱う農機のなかには、輸出先の国でなじみがないものもある。

 例えば、田植機だ。そもそも稲作を取り組むのにあたり、タイやベトナム南部などは、日本のように苗を育てて1本ずつ丁寧に植えない。畑に種をばらまくため、田植え機の需要がない。苗を10日間かけて育ててから植える必要があるなど手間がかかる。

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