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外国人が稀に直面する少しの差別

暮らす国を自分で選べることができる幸福

2014年1月30日(木)

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 「力になれなくて、ごめんなさい!」。警官が優しく言ってくれました。

 でも私は、警官にも頼れないことを、この直前に起きた事件そのもの以上に悲しんでいました。

 約1年前のことです。渋谷にあるラーメン店のHでとても美味しいラーメンを食べました。そのラーメンの味が忘れられず、またその店に行きたいと思っていました。1月上旬の寒い夜、ようやくHに行く機会ができて、空腹で店に入りました。しかし、入ったとたん「悲劇」が連続して起こりました。

 まず、「いらっしゃいませ!」と言う声が聞こえませんでした。前回訪れた時より空いていたけれど、「忙しいからだな…」と思い、あまり気にかけませんでした。

 そして期待いっぱいで自動販売機にお金を入れ、クーポンを手に入れました。その時、入り口から少し離れている席のお客が食べ終え、立ち上がろうとするのが目に入りました。「寒いから入り口の前ではなく、立ち上がったお客の席に座るのがいい」と思い、カウンターに出たお冷を持ってその席に座りました。

 しかし、店員さんはどうしても私を、入り口の前の席に座らせたかったようです。空いているのに…。私は「ここ寒いから!」と言ったら、店員は「一個だけで別に構わない!」と答えました。私はコートを手に取り、「帰る!」と言って席から立ち上がりました。

 店のマスターは、わざわざ自動販売機を開けて、私にお金を返しました。しかも、とても悪い態度で。すごく怒っていた私は「なんなのこの行動は?」と声を荒げました。するとマスターは「邪魔!」と言いながら、私の背中を押して店から追い出しました。「私が外国人だから、こんな態度をとるのでしょう?」と尋ねると、マスターは再び「邪魔!邪魔!」と繰り返しました。「これは差別だ!警察を呼ぶよ!」と言い返すと、「いいよ!呼べ!」とマスターも言い返してきました。

 冒頭に紹介したのは、この後、警察に行った時のやりとりです。その警官は、「日本には差別を禁じる規則はない。だから、一緒に店に戻ってもできることが何もない」と教えてくれました。私は寂しさと怒りのあまり震えていました。私の「椅子を選ぶ権利」をマスターの「お客を選ぶ権利」が犯したにもかかわらず、何もできることがなかったのです。

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「外国人が稀に直面する少しの差別」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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