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アップルもユニクロも慌てふためいた

中国「汚染企業ランキング」の衝撃

2014年2月6日(木)

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 彼に会ったのは、中国・北京の瀟洒なアパートの一室だった。ITベンチャーを思わせる雰囲気のオフィスでは、若い男女十数人がパソコンに向かっている。ここは、中国環境NGO(非営利組織)の中で最も世界に影響力を持っているであろう、公衆環境研究センター(IPE)の事務所だ。

 IPEを率いる馬軍(マー・ジュン)氏は、物静かで穏やかな雰囲気をまとった人物だ。ところが、ひとたび企業活動による環境汚染に話が及ぶと、目に鋭い光が宿った。中国は環境NGOにとって、生きにくい国だ。それでも、政府や企業に迎合することなく戦っているという切迫したオーラが馬氏から漂った。

中国環境NGO、公衆環境研究センター(IPE)のリーダー、馬軍氏
(撮影:Go Takayama)

 馬氏がIPEを設立したのは2006年のこと。NGO活動に制限のある中国で地道な活動を続けてきた馬氏は、本当に人生をかけて活動をしてきたのだろう。IPE設立後、真っ先に手掛けたのが「中国水汚染地図」の作成だった。中国政府が公表した水質汚染の情報をかき集めた汚染データベースである。現在でもデータベースには、約10万社13万件の汚染情報が記載されている。

 グローバル企業を震撼させたのは、このデータベースそのものではない。IPEが公表している「企業ランキング」だ。

 IPEは当初、汚染データベースの問題工場に改善を求めていた。だが、望むような成果は得られない。その理由は、「環境対策はコストアップ要因になる。ライバルに負けてしまう」というものだった。そこで馬氏が目を付けたのが、発注元の大企業だったのだ。

 汚染データベースの掲載企業10万社の大半は、大企業から発注を受けて中国で生産活動をしている。当時、中国では工場からの廃液中に含まれる重金属による子供たちの中毒症が社会問題になっていた。そこで、水質汚染を発生させやすい電機・IT企業とアパレル企業を最初のターゲットに据え、発注元企業の約80社を突き止めた。

 そして、この80社に対して公開質問状を送付。回答の有無や取引先の環境汚染実態を把握しているか、改善を求めたかどうか、グリーンサプライチェーンの構築への動きなどの項目ごとに評価し、ランキングを作成したのだ。このランキングは、IPEのスタッフが日々、企業とのコンタクトを重ねて更新している。

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「アップルもユニクロも慌てふためいた」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師