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「時間資本主義」における「コト」の変化

時間消費の二極化とビジネスチャンス

2014年2月25日(火)

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 出版社で多忙な毎日を送るAさん(30代女性、独身)は、金曜日深夜に仕事を終えると、4月に予定している休暇をどう過ごすか考え始めた。一休で検索してみると、気になっていた「星のや京都」の「谷霞」というリバービューの部屋にまだ空きがあるようだ。

 Aさんはすぐ彼氏に日程を確認し、予約を完了した。友人の話では、宿のエントランスは嵐山の川辺から専用の小舟に乗らないとアクセスできないとのこと。夕暮れに小舟に乗ってゆっくり宿に向かう時間は2人の幸せな思い出になりそうだ。「4月まであと少し。頑張ろう」――。少し元気になったAさんは再びパソコンに向かい、明日のグロービス経営大学院「マーケティング」講義の予習に取り掛かった。

 近年「消費の二極化」という言葉をよく耳にします。こだわりのある分野には支出を惜しまないが、そうでない分野では徹底的に支出を抑える消費傾向です。

 実は、このような「二極化」は「時間消費」においても当てはまるようになってきています。時間という資源の希少性が高まる中、消費者は“アンハッピー”な時間をとことん節減して「さくっと」済ませようとする一方、“ハッピー”な時間には今まで以上に「わざわざ」惜しみなく時間を費やすようになっているのです。

 冒頭のAさんの例は、まさにこのような時間消費の二極化の代表例です。Aさんは旅行先を選んだり予約したりする時間は「さくっと」済ませる一方、「わざわざ」小舟に乗って宿にたどり着くまでの時間は価値あるものとしてゆっくり楽しもうとしています。また多忙な中でも自己研鑽のための時間は惜しみません。

「さくっとニーズ」と「わざわざニーズ」を使い分ける現代人

 「時間資本主義の時代」には、消費者は時間を節約する「さくっとニーズ」と時間をゆっくり費やす「わざわざニーズ」を巧みに使い分けます。それぞれのニーズはどのような場面で生じるのでしょうか。そして、企業にはどのようなビジネスチャンスが生まれるのでしょうか。

 まず「さくっとニーズ」から見てみましょう。前回までの連載でも詳しく触れましたが、(1)高齢化、(2)都市化、(3)情報通信技術の発達によって、時間がお金に対抗しうるほどの希少性を持つ資源として台頭してきました。「さくっとニーズ」とは、時間の希少性がお金の希少性を上回るときに、お金を払ってでも時間を得ようとするニーズと言えます。

 希少性において時間がお金を上回る典型的な場面は、「移動時間」「待ち時間」「選択時間」など、元来費やしたくない煩わしい時間が発生する場面です。Aさんは旅行代理店まで移動する時間、旅行代理店で整理券を取って順番を待つ時間、それから宿の空き状況を照会して選択する時間を節約し、全てを一休で「さくっと」済ませました。

 一休のように、「さくっとニーズ」に対応することで競争優位を確立した企業の例は枚挙に暇がありません。近年ホテル業界では、ビジネスホテルがシティホテルのシェアを奪って成長していますが、これは煩わしいチェックイン・アウト等の待ち時間を大幅に短縮したことが要因の1つです。同様に、煩わしい空港トランジットという待ち時間を高度なオペレーションで短縮したシンガポールのチャンギ空港は、乗降客の強い支持を得て「世界空港ランキング」首位の座に君臨するようになりました。

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