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「フラジャイル5」と日米欧、本当に“弱い”のはどこ?

「経常収支+財政収支」で考える

2014年2月10日(月)

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 日経平均株価が1万4000円前後まで大幅に下落し、為替相場がドル=100円台まで円高・ドル安方向に大きく動くなど、市場は1月下旬から2月上旬にかけて、「リスクオフ」(投資マネーが保有するリスクを縮小する方向)へ大きく動いた。

 きっかけになったのは、アルゼンチンやトルコなど、いくつかの新興国の通貨が急落したことだ。これに、米国の景気指標が悪天候の影響で事前の予想よりも弱い数字になったことが加わり、市場の不安心理が増幅された。

 だが、「新興国」として1つにくくられている国でも、個別の経済、あるいは政治の状況はまちまちである。グローバルなマネーフローが不安視される局面で注目されることが多い経常収支を見ても、出稼ぎ労働者による送金を主因に経常収支が黒字のフィリピンから、経常収支の赤字幅が近年拡大している「脆弱な5カ国(フラジャイル・ファイブ)」と呼ばれるグループとでは、大きな差がある。

「弱い国」を手っ取り早く判別する方法

 ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が弱い国を手っ取り早く判別する上で、筆者が昔からしばしば用いているのが、経常収支のGDP(国内総生産)比と、財政収支のGDP比を単純に足し合わせる手法である。これは、かつて米国の貿易赤字と財政赤字が「双子の赤字」と呼ばれて問題視されたことがあるが、この組み合わせの変型と言える。

 ある国の経常収支が大幅な赤字である場合、これとバランスする形で資本収支は大きな黒字となる。それだけ長期、もしくは短期の投資マネーの流入が必要になっているわけだ。

 米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小を今後も淡々と進めると予想される中で、経常赤字が大きい国については、投資マネーが流出して経済が不安定化するのではないかという警戒感が抱かれやすい。

 また、ある国の財政赤字が大きいと、その国の国債格付けの低下などを通じて、投資マネーの流出につながりやすい。経常収支と財政収支の赤字幅がともに大きく、両者のGDP比を合算した数字のマイナス幅が大きいと、その国は投資対象としては要警戒だという話になる。

 国際通貨基金(IMF)の昨年10月時点のデータベース(実績がまだ出ていない年はIMFの見通し数値になっている)を用いて、「脆弱な5カ国」について、経常収支と財政収支のGDP比を単純合計すると、2014年は5カ国すべてがマイナス5%ポイントよりも悪い数字になっていることがわかる(図1参照)。この数字は1つの“ものさし”になる。

注: インドの財政収支と南アフリカ共和国の経常収支は12年以降がIMF予測(13年10月時点)。他は13年以降がIMF予測(同)。トルコの00年と01年、南アフリカ共和国の05年はデータなし
(出所)IMF資料より筆者作成

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「「フラジャイル5」と日米欧、本当に“弱い”のはどこ?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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