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厳冬にも負けないFRBと日銀

冷静なイエレン氏VS強気な黒田氏

2014年2月14日(金)

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 今年の冬も寒さが身にしみるが、北半球の大寒波に凍えるだけでなく、世界の金融市場が一気に冷え込んだ。発端は1月23日のアルゼンチンペソの急落で、経常赤字国であるトルコのリラ、南アフリカのランドといった新興国の通貨連鎖安に波及。その後、世界的な株安も広がり、円の対ドル相場も一時1ドル=101円台まで急速に円高が進行した。

 新興国不安がきっかけではあっても、底流には、米国の金融緩和縮小の見通しを前提として昨年末に傾け過ぎたリスクポジションを足元でいったん落とす動きが加速したと推察される。

 2014年の世界経済は新興国の停滞感が残ると想定されるものの、一部の先進国の牽引で全体のベクトルは緩やかな上向きであり、局地的な弱さが続いたとしても、全体の底堅さは崩れないと見ている。

イエレン新体制に試練

 年明け後に米連邦準備理事会(FRB)の金融政策への不透明感が増したことも、「リスクオフ相場」の一因と思われる。

 2月からFRB議長がイエレン氏に代わったが、そもそもFRB議長の交代期には相場波乱が生じやすいとのジンクスがある。その代表事例は、グリーンスパン氏が1987年8月11日にFRB議長就任、2カ月後の10月19日にブラックマンデーを招いたこと。そして、2006年2月1日就任のバーナンキ議長はすぐに波乱はなかったが、2008年9月にリーマンショックに見舞われた。

 イエレン体制発足を前に1月下旬からの相場の急変は、世界的な株安を先取りした動きとも言えそうだ。

 それでも、昨年5月の市場混乱との違いは、米長期金利は上昇せずに2.7%割れまで低下していることだ。この長期金利の低下地合いは、米国株相場の調整期間を短くする作用があるはずだ。長期金利が安定していれば、リスクオフ相場の長期化は考え難い。

大物副議長指名と強硬タカ派の加入

 1月10日にオバマ米大統領が、次期FRB副議長に前イスラエル中銀総裁のスタンレー・フィッシャー氏を指名した。フィッシャー氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号取得後、同校の教授時代にバーナンキFRB議長、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、サマーズ元財務長官と、主要ポストを担う人々の恩師である。

 また、世界銀行チーフエコノミストや国際通貨基金(IMF)の筆頭副専務理事を歴任し、IMFでアジア通貨危機などに対処する行政経験は豊富で、金融政策の実務にも精通し、人脈もあるという大物過ぎる副議長だ。本来、副議長は議長のサポート役だが、政治交渉力および人脈面からも、フィッシャー氏が影の実力者になるとの見方が出始めている。

 雇用重視のイエレン氏に対し、フィッシャー氏が金融市場の安定を重視するなら、両氏の政策姿勢が異なってくる可能性がある。

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「厳冬にも負けないFRBと日銀」の著者

岩下 真理

岩下 真理(いわした・まり)

SMBCフレンド証券エコノミスト

市場部門での長年のエコノミスト経験を生かす数少ない女性「日銀ウォッチャー」。わかりやすく楽しい解説がモットー。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会幹事を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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