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向谷流“たった3人の拡散力”

「こだわり」は、ほとんど気付かれなくても大丈夫!

2014年2月14日(金)

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毎年運行される相模鉄道「JAZZトレイン」のリハーサル風景。相鉄本線全線を走りながらライブをお聞かせする粋な企画です(2013年7月)

 音楽家の私が、演奏者としてだけでなく、手始めに音楽をビジネスとする経営者になった昔の経緯は前回、お話ししました。そして私が設立した音楽館という会社は現在、電車の運転シミュレータなど鉄道関連分野が主力事業になっています。

「カシオペア」情報をLD-ROMでアーカイブ化

 こうした「音楽」と「鉄道」を結ぶビジネス展開の対角線上にも、実は、大きな“閃き”があった!というのが、今回のプロローグです。

 そのとき閃いてみたものとは、私が当時所属していたフュージョンバンド「カシオペア」のメンバー情報や楽曲をアーカイブ化したLD-ROM『ハイパー・ミュージック』というものでした。

 LD-ROMって、皆さん知ってました?これは、PCとLD-ROMプレイヤーを「RS232C」規格のケーブルでつないで、PCからの情報でCAV規格のディスクを制御するものです。それによって動画の裏側に見えないスイッチをつけて、そこをクリックすると必要な別の動画情報を呼び出すとか、かなり派手に見せることができるものでした。

 そんな“画期的”なコンテンツを閃いたきっかけというのは、カシオペアが所属事務所をパイオニアLDCに移ったことでした。1980年代が終わろうとしていた時期でしたかね。昭和から平成に時代が変わろうとしていたときだったと思います。

 パイオニアと言えば、皆さんの中にも昔、「レーザーディスク」なんか記憶にあるんじゃないでしょうか。そのパイオニアで、新しい映像コンテンツを創ろうと言うことになったときに閃いたのが、この『ハイパー・ミュージック』だったのです。

 これらを閃いたのは、すでにサンプリングシンセサイザーなどで音のデジタルデータ化に慣れていたので、映像も同じデジタルデータにすれば、同居できるということです。

メンバーは皆、若かった!カシオペアのファンクラブ会報の第1号(1980年9月号)

 この時期、私は通商産業省の外郭団体である「マルチメディアソフト振興協会」の発起人の1人として、いろいろと音楽における「マルチメディア」的な作品を発表していたので、「閃き」に勢いがあったのかもしれません。

 その協会が主催した国際会議が千葉県の幕張メッセで開かれた際に、この『ハイパー・ミュージック』を発表すると、会場からどよめきが起きました。

 ある時、今はなき赤坂プリンスの大宴会場で、政財界の蒼々たる方々が集まる会合があったのですが、私はそこで「マルチメディアとは何たるか」について講演をしたのです。その時にも、この『ハイパー・ミュージック』を披露したのですが、当時の政権与党の大物政治家や電機業界の首脳さんたちの前でやるパフォーマンスは、そりゃあ、相当なものでしたよ。

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「向谷流“たった3人の拡散力”」の著者

向谷 実

向谷 実(むかいや・みのる)

ミュージシャン/音楽館社長

フュージョンバンド「カシオペア」のキーボード奏者時代の1985年に音楽関連事業を手掛ける音楽館を設立。今では鉄道会社向けに電車の業務用運転シミュレーターや発車メロディーなどの制作に携わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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