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酒乱でギャンブル依存、あの男が帰ってきた……

酔って難題を持ち込む、やっかいな“恩人”

2014年3月3日(月)

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 ある日の朝、主人はとても疲れた顔をして私の部屋にやってきて、とても申し訳なさそうにこう言った。

 「Jに小切手を書いてもらえないか?」。

 Jという名前を聞いて私は心の中で舌打ちした。「また、あいつか……」。

 J氏と弊社は切りたくても切れない関係にある。過去の経緯から、この後の展開は読めたが、いくら必要なのか尋ねた。

 「2万5000ドル。例のコミッションが溜まっていたらしい」。

 これには驚いた。いきなり2万5千ドルもの小切手をコミッション金額として正当なものかどうか確認せずに渡さないといけない。

 以上のやり取りはアメリカ人の主人と私の間でかわされたものだ。私たちは、主人がCEO(最高経営責任者)、私がCFO(最高財務責任者)という分担で、零細企業をラスベガスで経営している。

 J氏が戻ってきたという嫌なニュースを主人が知らせてきたのは、出産と子育てで経営から離れていた私がCFOに復帰して5カ月程経った2013年の夏のことだった。ちょうどそのとき、私は裁判所命令で銀行口座が凍結させられた事件から開放された直後だった(口座凍結事件については『もう倒産させちゃっていいですか?』を参照)。

 2010年から子育てに専念していた私は気分転換のつもりで2013年3月にCFOとして戻ったが、会社が経営危機にあることが分かり、すぐにCFO稼業にどっぷりつかることになった。2010年春までさかのぼって、私の不在時の全取引明細を確認、積もり積もった埃をやっと叩き出し、落ち込んでいた売り上げも回復し始め、「さあこれから」というときに、あの男、J氏が登場したのである。

 本連載では弊社の珍事件の数々を紹介してきた。読み続けてくださっている読者の方はまたかという気もされるだろう。そのくらい、弊社では嫌なことが頻繁に起こる。中でもJ氏はやっかいな存在だ。相当な酒癖の悪さとギャンブル依存を兼ね備えており、底なしにお金が必要な人物だ。酒を飲むと絡んだり怒鳴ったり喧嘩を吹っ掛けてきたりと手に負えない。

 「そんな人物と付き合うほうが悪い」と読者の方々は思うかもしれない。まったくその通りだが、このJ氏、弊社の急成長に欠かせなかった恩人でもある。だからやっかいなのだ。J氏と弊社の付き合いを最初の時から振り返ってみよう。

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「酒乱でギャンブル依存、あの男が帰ってきた……」の著者

上田 尊江

上田 尊江(うえだ・たかえ)

Artform LLC CFO

マネジメントコンサルタント、オンライン証券会社の創業、海外企業の日本参入支援など手がけた後、2006年より渡米、TransAction HoldingsおよびartformのCFO。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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