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シャドーバンキング・バブルの気配

日本市場も荒らし始めた「ホット・マネー」

2014年3月3日(月)

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 ちょうど6年前のいま頃、筆者は『投資銀行バブルの終焉』の原稿を書き始めていた。ゴールドマン・サックスなどが持続不能としか思えないような増益決算を連発し、バランスシートを拡大する傾向に危うさが漂い始めた中、2007年にサブプライム・ローン問題の炎上という暴風に見舞われた国際金融市場は、その書物が世に出て2カ月もたたないうちに、今度はリーマン・ショックという大津波に襲われて瓦解した。

 当時、「投資銀行バブル」という言葉に違和感を覚える、という批判も受けた。バブルというのは株式市場や不動産市場、ジャンク債市場などで用いられる表現であり、金融機関の経営を指す言葉としては適当ではない、という指摘である。

 だが筆者の眼には、その甘い経営感覚こそが邦銀勤務時代に体感した「超楽観に安住するバブル意識」以外の何物でもない、と映ったのである。そして彼等が安穏と居座っていたバランスシートも、やはりバブルの産物と言って間違いないものであった、と今なお思っている。

 その後、欧米金融機関は世界的な規制強化の流れに対応せざるを得なくなり、こうした「バブル」を引き起こす可能性は大きく低下している、と言われる。実際には、大手米銀が直面している貸出機会の減少と利益率の低下は、よりリスクの高い資産への選好を強めることも有り得るので「銀行はバブル形成とはもはや無関係」とは断定し難いが、その主役になることは当面ないかもしれない。

急速に存在感増す「シャドーバンキング」

 だが、それは必ずしも国際金融市場の安定を担保しない。商業銀行や投資銀行に代わる新たな金融セクターが、急速に存在感を増しているからだ。彼等は厳しい規制対象下に置かれる「バンク」と区別されて「ノンバンク」と称されることが多いが、その甘い規制の下での金融仲介機能を描写するために「シャドーバンキング」と呼ばれる機会も増えている。

 正確な定義ではないが、「バンク」が行う投融資活動を「バンキング」と称するのに対して「ノンバンク」が行う金融取り引きを「シャドーバンキング」と呼ぶ、と考えても良いだろう。

 最近では、中国金融に関する「シャドーバンキング問題」が頻繁に報道されるようになった。本コラムでも昨年5月にその問題を採り上げたが、それ以降も懸念は強まるばかりであり、今年に入って1月そして2月にそれぞれ理財商品の事実上のデフォルトが同国内で生じたと見られている。

 そんな中国のファイナンスは、鉄鉱石や銅など原材料を担保とするものが多いため、ひとたびデフォルトの連鎖となれば商品市況が急落する、といったリスクをも孕んでいる。中国の金融問題が、今年の国際金融市場における大きな話題になることは間違いないだろう。

 いい機会なので、この「シャドーバンキング」がグローバルな金融市場の中でいったいどれほどのシェアを占め、どういう地域に存在し、どんな役割を担っているのかを整理しておくことにしよう。

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「シャドーバンキング・バブルの気配」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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