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1997年の二の舞は避けられる

消費増税でも景気が腰折れしない理由

2014年3月5日(水)

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 今回の消費増税の負担額を試算すると、消費増税そのものは相当景気へのダメージが大きいと判断される。参考のために1989年度と97年度、それから今回2014年度に3%上げた場合のそれぞれについてマクロの負担額を見ると、89年には物品税の廃止等の減税もあり、ネットの増税幅は1.8兆円にとどまっている。当時はバブル景気末期で景気の勢いもあったため、結果的に景気への影響は軽微にとどまった。

 それに対し、97年度は消費税率の引き上げ幅自体は2%で、負担増は5兆円程度と限定的であった。しかし、特別減税の廃止や年金・医療保険改革等の負担が重なり、結果的には9兆円近い大きな負担となった。さらに、景気対策がない中で同年6月にアジア通貨危機が起こり、同年11月に金融システム不安が生じたため、景気は腰折れをしてしまった。

消費税引き上げ年度の家計負担(兆円)
(出所)財務省、厚生労働省資料を基に作成

 確かに、97年度は消費増税以外の負担増もあったため、消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない。しかし、今回の消費税率3%引き上げは、それだけで8兆円以上の負担増になり、家計にも相当大きな負担がのしかかる。これを単純に世帯数で割れば、1世帯平均15万円弱の負担増になる。しかし、総務省「家計調査」を用いて、具体的に4人家族(有業者1人)の平均的家計への負担額を試算すれば、年間約9.0万円の負担増となる。現実的には、企業が消費税率の8兆円の負担分のうち3兆円程度は価格転嫁できないと想定される。

消費税率3%引き上げによる年収別負担増
(出所)総務省「家計調査(2013年)」をもとに第一生命経済研究所作成

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「1997年の二の舞は避けられる」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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