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“おまけ”はクールじゃない

日本文化を世界に伝える秘策は何か

2014年3月6日(木)

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 「クールジャパン」。

 この言葉を聞いて、どんなイメージを持つだろうか。

 メイドカフェに象徴される秋葉原のオタク文化か、「shibuya109」や原宿などの「カワイイ」ファッションか。人によっては、世界中でファンを獲得するマンガやアニメを思い浮かべるだろうし、歌舞伎などの伝統文化や京都などを連想するケースもあるだろう。要は日本の優れた文化を、ざっくりとまとめた言葉が「クールジャパン」だ。

 アベノミクスの3本の矢の1つでもある「成長戦略」。このうちの1つの戦略として、「クールジャパン推進」が掲げられている。2020年には1000兆円規模に拡大すると想定されている世界のクリエーティブ産業を攻略することが大きな目標だ。

 政府の要請を受け、2013年秋には日本の文化を世界に発信・展開するための官民ファンド「海外需要開拓支援機構(通称:クールジャパン機構)」も設立された。設立時には、国が300億円、民間企業15社が計75億円を出資。今後20年間事業を展開する計画だ。

 「日本のブランド力を向上させ、経済成長や産業競争力につなげていく」。クールジャパン機構の開所式では茂木敏充経済産業相がこう語り、日本文化輸出への期待を寄せた。東京五輪の開催も決まり、日本文化を世界に広げようという機運は間違いなく高まっている。

日経ビジネスが2013年4月に発売したファッション産業のムック本「グローバル経営の教科書」でも、「カワイイファッション」こそアベノミクスの最終兵器になりうると説明している

 だがクールジャパン機構始動の一報を受け、記者は相反する思いを抱いていた。危惧と期待だ。

 これまでにも、日本文化を世界に知らしめることを目的とした政府主導の取り組みは何度か実施されてきた。だが結果として、それらが成功したという話はあまり聞かない。世界が「クール」と評価する日本のカワイイファッションやオタク文化も、なぜか国や自治体などが間に入ると、「あまりクールじゃない」ものに変換されて輸出されてしまうことがあるからだ。

 例えば昨年には、稲田朋美クールジャパン戦略担当大臣が日本のカワイイ文化を発信する狙いで、「ゴスロリ(ゴシックアンドロリータ)」ファッションに身を包み、いくつかのイベントに出席した。しかし稲田大臣の格好は、原宿などに集まるゴスロリ姿の少女たちとはかけ離れていた。「不思議の国のアリス」をイメージしたというエメラルドグリーンのドレスや紫の地に白いファーをあしらった着こなしから、「クールな」ゴスロリ文化を理解することはあまりできそうになかった。

 つまり、クールジャパンを世界に伝えなければならない立場の人があまりクールではなかったのだ。

 もちろん、クールジャパンを世界に伝える人が、みなクールでなければならないわけではない。しかし少なくとも、どういったポイントが受け、何が世界で「クール」と評価されているのかという本質は理解する必要があるはずだ。その点、官主導の「クールジャパン」推進活動では、そのポイントが微妙に、時には大幅にずれていることが過去何度かあったのだ。

 そのため今回の「クールジャパン機構」も、果たしてどんな形で「クール」が輸出されるのかという危惧を抱いていた。

 一方で、大きな期待となったのがクールジャパン機構の社長に就いた太田伸之氏の存在だった。

コメント9件コメント/レビュー

アニメやコスプレが海外にも少し人気が出たからと言って、政府まで出てきて「クールジャパン」などと売り込むのはいかにも浅薄である。国産自動車メーカーが目先の利益に目がくらみ、ヤンキー御用達の黒のワンボックス車ばかりに傾注した結果、一向にワールドワイドな一流ブランドを確率できずにいるのと同じ構図のように見える。決してこれらを否定するわけではないが、あくまでサブカルであり、深いところにある本質の文化を掘り下げ、理解し発展させることなくして一時の脚光から周辺だけ飾り立てても、「憧れの日本ブランド」という成果は得られないだろう。(2014/03/07)

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「“おまけ”はクールじゃない」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アニメやコスプレが海外にも少し人気が出たからと言って、政府まで出てきて「クールジャパン」などと売り込むのはいかにも浅薄である。国産自動車メーカーが目先の利益に目がくらみ、ヤンキー御用達の黒のワンボックス車ばかりに傾注した結果、一向にワールドワイドな一流ブランドを確率できずにいるのと同じ構図のように見える。決してこれらを否定するわけではないが、あくまでサブカルであり、深いところにある本質の文化を掘り下げ、理解し発展させることなくして一時の脚光から周辺だけ飾り立てても、「憧れの日本ブランド」という成果は得られないだろう。(2014/03/07)

値引き文化は大阪の文化って感じですけどね。 東京、新潟、福岡、広島、大阪、名古屋にチェーンのあった販売店に居て、各地に出向いて仕事してましたが、「値引きしろ。さもなきゃオマケつけろ」と半分以上の顧客に言われるのは大阪だけです。 東京の店舗でもしつこく要求してくるのは、大阪弁喋る人ばかり。(でも、最近は大阪でも30代辺りから下の世代の方は無理な値引き要求やオマケの要求はしない人が多くなっていますけど) あの腰の強い値引き交渉をクールだと思っている日本人は少ないでしょうから、値引きがクールじゃないってのは正しいと思いますが、この手の話を見聞きしていつも思うのは、外国人に「クール」だと思われている人は推進する立場の中に居るんですかね? 居ないのなら、例えばアニメ界の給料実態の改善を図れるような支援とかに徹した方が良いのではないかと思います。(2014/03/07)

記事の冒頭にあるように、私も政府がからむとろくなことがないので、日本文化を世界に広めるためには極力政府はかかわらない方がいいと思っています。では、どうするのかと、それは文化を生み出しているクリエーターがそれなりの生活ができるような収入をえられるように法整備をすることです。現状は文化の本質的な部分を作り出している人達に報いていないのです。彼らを利用している人達が潤っているだけなのです。記事の例でいえば、湯飲みを売っている百貨店が潤って、デザイナーは潤わないというのが現状ではないでしょうか。湯飲みが沢山売れたら、デザイナー>湯飲みを作ったひと>百貨店の順で利益配分されるような、そんな制度を作っていくことが大切です。(2014/03/06)

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