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シンガポールの成功に学ぶカジノ規制

カギとなる実施法の骨子~「IR推進法」入門(後編)

2014年3月25日(火)

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IR推進法案に書かれた実施法の大枠

 前回、特定複合観光施設区域(IR=統合型リゾート)法案は推進法と実施法との二段階方式であり、今国会に提出されているのはIR推進法律案であることを説明した。推進法案は簡単に言うと、IR実現へ向けた政治の意思を国民に示し、1年かけて実施法を作ろうという内容だ。とはいえ、推進法案が国会で審議される中では、実は実施法案をどんな内容にするつもりかが問題であり、そのため実施法の大枠の考え方は推進法案にも表明されている。

 IR推進法案は、「第1章 総則」(第1~5条)、「第2章 基本となる事項」(第6~13条)、「第3章 IR整備推進本部」(第14条~23条)、の3章で構成されている。

 第2章がIRの中身についての条文であり、条文のタイトルをざっと列記すると以下のようになる。国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等、観光産業等の国際競争力の強化及び地域経済の振興、地方公共団体の構想の尊重、カジノ施設関係者に対する規制、カジノ施設の設置及び運営に関する規制、カジノ管理委員会の基本的な性格及び任務、納付金、入場料。

 このように、1年以内に作る実施法で細かい点をつめる事項はすべて書かれている。ポイントは3つ。1つは、カジノを含めたIR施設の主な目的が、外国からの観光客呼び込みであり、雇用など地域経済活性化にあること。2つめは、「カジノ管理委員会」という規制機関を設けて、カジノ運営をする民間事業者が犯罪に関与せず、公正な運営をするように見張らせることだ。青少年保護やカジノによる悪影響(賭博中毒など)のための規制も同委員会が担当する。3つめには、納付金と入場料といった、IR施設から国や地方公共団体がどういう形で直接の収入を得るかという点だ。これも実施法に盛り込むことになる。

 また、IR推進法案の第3章では、IR推進本部を内閣に置き、本部長を総理大臣が務めることや、学識経験者20人以内からなるIR推進会議を置くことなどを規定している。つまり、総理大臣をトップとして関係官庁全部に指令する体制で実施法作りをすること、それに、世論を反映させるための有識者会議を設けると言っている。

お手本となるシンガポールのIR

 IR推進法案を提出した超党派のIR議連は、多くの国で営業しているカジノやIRの建設・運営体制や法規制について調査してきた。中でも注目されているのがシンガポールの事例だ。シンガポールは、日本と同じ天然資源があまりない国として、かつては日本の高度経済成長を政策モデルとしていた。近年では、同国は、香港と並ぶアジアを代表するヘッジファンド集積地であるなど金融立国として日本に先行し、IRによる国際観光立国の面でも日本のほうからお手本とする国となっている。

 シンガポール政府は観光客誘致の大型プロジェクトとして2004年にIR施設の建設を決定した。同時に2つ(ビジネス・コンベンション・ツアー客向けと家族リゾート客向け)のIR施設を作るという計画は、政府から諸条件を示したうえで入札により施設の所有・運営者を決める方式で進められ、それぞれ50億~60億米ドル規模の巨大施設の建設を、税金を投入せずに実現した。

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