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増税後の日本人の生活はどのぐらい「悲惨」になるか?

生活実感は過去最悪になる可能性

2014年3月11日(火)

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 失業率とインフレ率(消費者物価上昇率)を単純に足し算した「ミザリー(悲惨)指数」。英語では“misery index”で、日本では昔から「ミゼラブル指数」と呼ばれることもある。これは、国民の暮らし向きや生活実感がどういった状態にあるのかを、大まかではあるが容易に知ることができる指数だ。4年に一度の米大統領選挙に際して、特に現職の大統領が再選を目指している場合に、経済状況が選挙の結果に及ぼす影響を考察する材料として、よく話題にのぼる。

 では、日本の経済指標に同じ考え方をあてはめて、日本版「ミザリー(悲惨)指数」を作成すると、どうなるか。労働力調査の完全失業率(季節調整値)と、全国消費者物価指数(CPI)総合の前年同月比のデータを取り出して<図1>、両者を足し算してみると、興味深いことが浮かび上がる<図2>。

■図1:日本の完全失業率と全国消費者物価指数(CPI)総合 前年同月比
(出所)総務省
■図2:日本版「ミザリー(悲惨)指数」(完全失業率と全国CPI総合前年同月比の合計値)
(出所)総務省資料より筆者作成

 一般に、失業率が上昇して雇用市場の需給が緩むと、賃金が減少し、CPIには下落圧力が加わる。逆に、失業率が低下して雇用市場の需給がひっ迫すると、賃金が増加し、CPIには上昇圧力が加わる。こうした関係がベースにあるため、「ミザリー(悲惨)指数」には、一つの方向に数字が発散しにくい性質があると考えられる。

 むろん、実際のCPIは、賃金動向が基盤となるサービス分野の価格の比較的安定した推移よりも、為替相場やエネルギー価格の動向によって大きく振れる財の価格によってその騰落率が左右される度合いがかなり大きいが(この問題については当コラム3月5日配信の「日本の消費者物価が3か月連続で欧米より拡大した理由」をご参照いただきたい)、上記の関係が消えてなくなるわけではない。

 そこで、2度のオイルショックの影響を脱した後である82年以降について、日本版「ミザリー(悲惨)指数」の推移を見ると、2~6%程度のボックス圏内で上下していることがわかる。1990年代以降に絞ると、だいたい3%前後から6%前後のレンジ内に収まっている。

 問題はこの先、消費税率が4月に引き上げられた後に、この指数がレンジを上抜ける可能性が高いということである。

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「増税後の日本人の生活はどのぐらい「悲惨」になるか?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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