• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

日本を捨てたGEが戻ってきた理由

涙なしには語れない風力発電市場の今昔

2014年3月14日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ゼネラル・エレクトリック(GE)が風力発電で日本市場に再参入する。かつて日本市場でシェア首位だったGEは、なぜ撤退し、再び舞い戻ってきたのか。そこには日本の風力発電市場の栄枯盛衰があった。

 あのゼネラル・エレクトリック(GE)が、一度は撤退した日本の風力発電市場へ舞い戻ってきた。

 日本の風に最適化した新型風車(風力発電機)を引っ提げ、鳴り物入りでの戦線復帰。なぜGEは日本から撤退し、再び参入を決めたのか。そこには世界でも特異な日本市場の栄枯盛衰がある。

GEは世界各国で風車を販売しており、高い世界シェアを誇る

 GEの風力発電機は、デンマーク・ヴェスタスと並ぶトップ。三菱重工業や日立製作所、日本製鋼所といった日本メーカーに、大きな差をつけている。

 GEが最初に日本で風車の販売を始めたのは2003年のことだ。2007年に撤退するまでの4年間で日本風力開発をはじめとする国内の風力発電事業者向けに約300基の風車を販売。当時、市場シェアは約30%の首位だった。

 ところが2007年、GEは事実上の撤退を決める。その理由は「売るものがなくなった」ことだった。

 耐震偽装が問題になった「姉歯事件」に端を発する建築基準法の改正によって、日本で発売する風車は世界的に見ても厳しい基準を満たすことが必要になった。GEが得意とするのは、世界で大きなボリュームを占める汎用的な風車。当時、GEは日本の建築基準法を満たす風車の製品を持っていなかったのだ。

 しかも、日本の風力発電事業者は窮状にあえいでいた。現在、再生可能エネルギーの普及を後押ししている「固定価格買い取り制度」は、当時はまだ影も形もない。

 「RPS法(新エネルギー等電気利用法)」と呼ばれる支援策が存在したが、手厚い制度とは言えず、普及の追い風になるほどの存在ではなかった。海外と比較すると、日本国内における風力発電は収益性が大幅に劣る事業にならざるをえなかった。

 風力発電事業を営むためには、発電所建設に伴う大きな初期投資が必要で、資金調達も大きな足かせだった。

 東京電力と豊田通商が出資するユーラスエナジー(東京都港区)や電源開発などの上位企業こそ、資金調達面での苦労は少なかったとみられるが、業界第3位だった日本風力開発より下位の事業者は、いずれも新興で小規模な企業ばかり。プロジェクトファイナンスを活用して資金調達をしてきたが、厳しい条件を背負っての事業展開だった。

コメント3件コメント/レビュー

ソーラーや風力に代表される再生可能エネルギーが所詮基幹エネルギー足りえないことを何故考えないのであろうか、お日様任せ、風任せの不安定なエネルギーをバックアップするために本来熱効率が極めて高い火力発電所をアイドリング運転しなければならない。しかも高価な買い取り制度などレントシーキングそのモノであろう。やはり安全の確認が出来た原発を出来るだけ早く再稼働しなければならない。筆者はエネルギーも安全保障の一角を握る重要な位置づけであることを忘れている。いい加減に目を覚ましてほしい。世話焼き爺(2014/03/14)

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「日本を捨てたGEが戻ってきた理由」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ソーラーや風力に代表される再生可能エネルギーが所詮基幹エネルギー足りえないことを何故考えないのであろうか、お日様任せ、風任せの不安定なエネルギーをバックアップするために本来熱効率が極めて高い火力発電所をアイドリング運転しなければならない。しかも高価な買い取り制度などレントシーキングそのモノであろう。やはり安全の確認が出来た原発を出来るだけ早く再稼働しなければならない。筆者はエネルギーも安全保障の一角を握る重要な位置づけであることを忘れている。いい加減に目を覚ましてほしい。世話焼き爺(2014/03/14)

GEは日本の風力発電市場の収益性が低いから撤退し,収益性が上がったから再参入する。言い換えれば,発電原価が高く電気代が安かったから風力発電は拡大しなかったが,今,FITにより電気代が上がるから風力発電が拡大する。日本の消費者に,高い電気代を負担し,自分の給料の一部をGEに支払ってでも風力発電を拡大するという理解と決意はあるのか?(2014/03/14)

自社継続のためなら急速な事業展開も辞さない“あのGE”ですから、再参入しても事業状況が悪化すればすぐに撤退することも十分考えられます。それまでに国内企業で十分戦えるだけの技術開発を進められるか。そして、その企業を足元から支えられるだけの国家事業が出来るか。様々な意味で、エネルギー資源の乏しい日本にとって試される機会がやってきています。太陽光も島国では限界がある。風力をもっと活用できなければ、日本のエネルギーの将来は厳しいものになるでしょう。(2014/03/14)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授