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日本が「ぬるく」思える中国のスマホブーム

2014年3月20日(木)

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 少し長い中国取材に行ってきた。
 今回はできるだけ地下鉄を使うことを自分に課した。インタビューだけでなく、街中のささいな変化も見逃したくない、と思ったからだ。

 そうして街歩きをしていて最も強く印象に残ったこと、それは北京と上海の、異常なまでのスマートフォン(スマホ)社会への変貌だ。

 到着してすぐそのことに気づいたが、できるだけ客観的に確かめなければいけない。地下鉄に乗るたびにスマホをやっている人を数えてみた。地下鉄の長椅子は6人乗り。たいてい5人しか座っていないが、その全員がスマホをやり、立っている人も9割がスマホを操っている。会社を訪問しても、レストランでも、ショッピングセンターでも、地下鉄のホームでも、エスカレーターでも、空港でも、みんなスマホをいじっている……。

 こ、これは一体なんなんだ? 急性スマホ中毒症か? ちょっと病的じゃないの? 60代くらいの人も、ズタ袋を抱えた農民工も、誰も彼もスマホの画面にかじりついている。

日本とは迫力が違うスマホ社会化

 帰国してすぐ、自分の中の“異邦人の感覚”が冷めないうちに地下鉄とJRに乗り、スマホ人数を数え、かなり意識的に街をウォッチングし、中国との比較に努めた。ざっくりとした印象では、地下鉄の中でスマホ画面を見ている人の割合は、日本が6~7割、北京・上海が9.5割といった感じだ。むろん一概にはいえないが、少なくとも中国帰りの私の目には、日本は電車内で熱心に読書をしている人や、ぼーっとしている人の割合がまだまだ多いように見えた。

 スマホで中国人は何をやっているのか。多くの人が最も頻繁に使うのは微信(ウェイシン)だ。日本では“中国版のLINE”と訳されるが、実際はフェイスブック(FB)とLINEの両方の機能を併せ持つ。

 機能は主に3つ。1つは「朋友圏」という、いわゆるフェイスブックの友だちの輪とほとんど同じもの。「いいね」も「コメント」もできる。2つ目は「群(グループ)」機能。学生時代、子どもの小学校時代の父兄の集まりなど、グループ別に分かれてその中で情報交換する。そして3つ目が「友だち」に直接メッセージを送る機能だ。

 日本でも仕事の用件をFBのメッセージ欄に送ることはあるが、中国での特徴は、スマホへの依存度が仕事でもプライベートでも、日本よりもずっと高い点だ。私の知り合いで「もう1週間以上、パソコンを開いていない」と打ち明ける人が何人もいた。いくらFBやLINEのヘビーユーザーでも、日本では、仕事のメールは別にしている人が多いだろう。

 旅行ビジネスを手掛けている友人の郭秋薫(41歳)に私の率直な感想や疑問を話してみたところ、彼女も同意し、「はっきり言って、中国の微信はもはや危険水域に達していると思いますね…。もうみんな、微信ばっかりやりすぎなんですよ!」と、半ば怒りを込めながら語り始めた。

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「日本が「ぬるく」思える中国のスマホブーム」の著者

中島 恵

中島 恵(なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長