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稀代のヘッドハンター永守重信

「有能な人材を招くためなら土下座もします」

2014年3月25日(火)

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 「年間売上高1兆円は僕の夢や。売上高10兆円は大ボラ。アッハッハ」。日本電産社長の永守重信はかねて、こう繰り返し語っていた。売上高が9000億円に近づいた今、「1兆円」は具体的な目標になっている。

 永守の頭の中では、1兆円は通過点に過ぎず、「10兆円企業」の構想が動き出している。1月に神奈川県川崎市に竣工した「中央モーター基礎技術研究所」は、そのための布石の一つである。

 「僕はもともと、基礎研究は1兆円企業がやるものだと考えているんです。そして利益が1000億円くらい出せないと、業績は常に変動するので、すぐに研究費を削るはめになる。だったら、やらないほうがいい。ようやく、うちも基礎研究をやる段階に来たというわけや」。研究所建設を決めたころの弁である。

 この基礎研は所員130人からスタートして、将来600人体制にする構想である。外国人研究者も多数採用して国際的な研究拠点に育てて、「世界初」の開発を目指す。ハコは約200億円を投じて立派にできたが、問題は中身である。その鍵を握る所長に、福永泰常務執行役員を充てた。

「出さんと言われても、もらわなくてはいかんだろ」

 福永は日立製作所の中央研究所の所長だった人物である。日立の中研は、創業者の小平浪平によって1942年に創立され、民間企業による基礎研究所の草分け的な存在である。研究分野は原子力からエレクトロニクス、情報技術まで多岐にわたり、ノーベル賞候補者も擁して研究水準の高さを誇る。東京都国分寺市にある中研は武蔵野の自然を残す広大な敷地の中にあり、企業の研究所とは思えない静かなたたずまいを見せている。

 永守は、日立中研の所長を経て日立オートモーティブシステムズの取締役CTOだった福永をスカウトしたのである。福永は2012年5月に常務執行役員として日本電産に入り、翌月、基礎研の初代所長に就任して、研究所づくりに取り組んできた。与えられた使命は基礎研とシンガポール、台湾の研究所を有機的に結ぶ研究体制を構築して、独創技術を開発する基盤を固めることである。

 日本電産に先に移っていた福永の元部下が永守に「基礎研究所の所長には、あの人が絶対にいいですよ。でも日立は出さないでしょうけど」と教えたのが、きっかけだった。永守は回転が速い。「日立に出さんと言われても、もらわなくてはいかんだろう」と、早速、行動した。

 まず本人の説得である。「現状に満足ですか。うちに来てもっと大きな仕事をしませんか。新しい研究所ですから、すべて自分の思う通りにできるじゃないですか。若い人を指導してくださいよ」。すべて任せるというのが殺し文句だ。

 プロジェクトを成功させたかったら、一にも二にも能力のあるキーパーソンを起用することである。これが経営の要諦である。「人がすべて」と考える永守に迷いはない。福永が納得すると、日立との交渉に動いた。「中西(宏明)社長とも話をしました」。「難儀したけど、了解してもらった。中西社長や副社長など皆さんとは知り合いなので、円満に話はつきました」。日立からモーターメーカーの日本サーボを買収した時から、首脳陣と親しくなっていた。

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「稀代のヘッドハンター永守重信」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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