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景気循環だけでは見えない日本の「下り坂」

ブルトレ「あけぼの」廃止に見る移動増加の光と影

2014年3月25日(火)

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 景気が良くなると、人の移動が活発になる。平日はもっぱらビジネスの世界で、休日は観光地を訪れるなどの目的で、人の動きが増える。筆者が出張のため新幹線に乗ると最近はほぼ満席で、隣の席が空いていることがほとんどない。実際に数字を確認すると、JR東海が公表している東海道新幹線の月次利用状況では、前年同月比プラスの月がこのところずっと続いている(今年2月は+5%)。

 住民票の移動を伴う引っ越しをする人の数にも、明るい兆しがある。総務省が発表している「住民基本台帳人口移動報告」を見ると、直近データである今年1月分で、住民票を移した人の総数(市区町村間移動者数)は30万0,049人、前年同月比+1.8%になった。昨年は4月、7月、9月に前年同月比プラスが記録されている。

 だが、そういった景気の循環的な上下動に沿った動きよりも一段高いところから日本の人口移動を俯瞰すると、すなわち「住民基本台帳人口移動報告」を年ベースで見ると、大きな流れは明らかに「下り坂」だということがわかる<図1、図2>。

図1:「住民基本台帳人口移動報告」による移動者数
(出所)総務省
図2:同上 前年比
(出所)総務省

市区町村間移動者数のピークは1973年

 日本の人口動態の特徴が人口減・少子高齢化の急速な進展であることからすれば、下向きの流れが基調として続くことは今後も避けられないだろう。さらに、IT(情報技術)の進歩や交通機関の高速化などを背景に、会社が地方の事業所に多くの人員を張り付けておく必要が減ったことも、人口移動を減らす方向に作用する要因と考えられる。

 市区町村間移動者数のピークは、73年(853万8,820人)である。日本の高度経済成長は、この年に発生した第1次石油危機によって終焉した。その後、87年に前年比+1.1%、89年に同+0.8%、90年もごくわずかな増加となったが、バブル経済の崩壊で潰えた。景気循環が上向きになった93~95年も前年比はプラスになった。

 だが、生産年齢人口(15~64歳の人口)が95年にピークをつけて減少に転じてからは、そうした動きはほとんど見られなくなった。96~02年に、市区町村間移動者数は7年連続の減少。03年には前年比+0.2%が記録されたものの、04年から13年までは10年連続の減少である。

コメント2件コメント/レビュー

上野さんの視点は、ネガティブですねできればポジティブに見た場合の意見と併せて「これ(ネガ)に注意しながら、ポジティブに進めるとイイね」という意見も是非伺いたい。(2014/03/25)

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「景気循環だけでは見えない日本の「下り坂」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

上野さんの視点は、ネガティブですねできればポジティブに見た場合の意見と併せて「これ(ネガ)に注意しながら、ポジティブに進めるとイイね」という意見も是非伺いたい。(2014/03/25)

筆者の「あけぼの」への思い入れはよくわかったが何故それが日本の衰退に重なるのか理解できない。筆者も仰られているように東海道新幹線は混んでいるし国際線の座席供給数とか日本人学校生徒数の変移など広く考慮しないと日本人が移動しなくなったとは言い切れないだろう。特にアジアなど午前中都内に出社して午後から移動、翌朝は移動先で普通に仕事しているのが当たり前なのだから。(2014/03/25)

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