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“イタリア化”する日本、アベノミクスは失敗する

構造改革なき消費増税で景気拡大に終止符

2014年3月26日(水)

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今年1月にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムで基調講演を行う安倍晋三首相(写真:ロイター/アフロ)

 世界の国や地域は、お互いに学び合うことはできるのだろうか。もちろん、そうすべきだろう。なぜなら、国際的なデータや経験は、政策担当者たちにとって豊富な潜在的情報源になっているからだ。今、欧州と日本の間には、共有されるべき、大きく重要な教訓がいくつかある。それは、お互いにメリットをもたらすものだ。ただし、政治家たちがそれに関心を払うかどうかは、定かではない。

 政治家は、政治的に都合が良いときにだけお互いの歴史を利用し合うものだ。それゆえ、今年1月、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、安倍晋三首相は1914年の欧州の悲劇的な歴史を引き合いに出した。東シナ海における中国の自己主張が引き起こす脅威について、世界に警鐘を鳴らすためだ。そして欧州の政策立案者たちは今、日本が近年に経験したデフレを例に挙げて、欧州でその歴史を繰り返さないようにすることの必要性を頻繁に話している。

政府は痛みを伴う教訓を学ぼうとしない

 しかし、問題なのは、歴史やほかの国からの教訓はしばしば、民主主義国の政府が無視したい政治的に厄介で痛みを伴う特徴を含んでいることだ。

 欧州の各国政府が日本から学ぶべき主な教訓は、デフレは、執拗に続く低成長率という形で、長期的な経済の脆弱性を生み出すということだ。それは、家計所得と政府借り入れという需要の主な牽引役が、いずれも弱い状態のままでいることが許される状況で起こり得る。

 1997年以降、日本は公的債務の上昇を抑制しようと財政再建策に舵を切った。それと同時に企業に対しては、正社員よりもパートタイムや非正規社員の雇用を促す労働市場改革を実施した。

 その結果、賃金は低下し、家計支出も横ばいか減少した。そして財政政策は基本的に緊縮的だったにもかかわらず、公的債務は増え続けた。もう1つの潜在的な需要の牽引役は事業投資だが、これも常に期待外れだった。企業は大きな新規投資をするよりも、現金を積み上げ債務を減らすことを優先した。

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「“イタリア化”する日本、アベノミクスは失敗する」の著者

エモット

エモット(びる・えもっと)

英エコノミスト誌・元編集長

1956年生まれ。英エコノミスト誌の元編集長。東京支局長を経験した知日派。最近ではドキュメンタリー映画の製作なども手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師