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原発再稼働でもゾンビ化しかねない電力会社の本当の不安

2014年3月26日(水)

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 かつて山本夏彦という随筆家がいて、いささか以上に毒を含んだ雑文がなんとも小気味よかった。その山本にこんな言葉がある。

 ひとはどこまで無実か――悪事が露見するまで無実である。

 額面通り受け止めて、その正否を論ずる気はないが、問題など何もなさそうな日常はその実、内側に問題をくるみ込んだだけのもの、と斜に構えれば頷ける。

 年度末間近の産業界は、円安にデフレ脱却の予兆、米景気回復…と連なって、沸くような好業績見込みである。ところが、その中でほぼ業界ぐるみ、赤字だらけというのが電力。原子力発電所が全基停止し、代替の火力発電も燃料であるLNG(液化天然ガス)、原油が価格高騰に円安デメリットのダブルパンチを受けてコストを猛烈に押し上げたためだ。

値上げは27.8%か7.8%か!?

 北海道電力は泊原発1、2号機が定期点検のため、運転を停止すると、火力発電への転換で燃料費が高騰し、2012年3月期に720億6600万円の最終赤字に転落した。さらに同3号機も停止し、原発が全て稼働しなった前期は1328億1300万円へ赤字幅が倍増。今期も780億円の最終赤字見込みで、自己資本比率は昨年末(第3四半期)にはついに7.3%(単独決算)まで落ち込んだ。

 このまま大幅赤字が続けば、来期は債務超過に陥る恐れもある…とこの下りは、先だって「ニュースを斬る」でも触れたから、ご存じの方もあろう。だが、これはいわば「悪事」の現れなのか、それとも「たまさか」の出来事なのか。

 大赤字の主因が、発電コストの低い原発の不稼働によるものだから、その状態が続く場合、赤字を脱却し、債務超過の憂き目を見ずに済むには、電気料金の値上げをするほかない。北電自身もそう言うわけだから、前回の「ニュースを斬る」では、赤字を脱却するにはどれだけの値上げが必要かを試算してみた。

 結果は27.8%。数字ももちろんだが、北電は昨年9月にも、家庭向けで7.73%、企業向けで11%の値上げを行っており、これはいくらなんでも現実的ではない。そこで今回は、可能性のある最低限の値上げ幅はいくらかを改めて試算してみた。

 カギは債務超過を何とか回避することだろう。債務超過が1年続けば上場廃止となるし、6000億円に及ぶ社債の価値も急落するから、株式、債券投資家に甚大な損失を及ぼしかねないからだ。

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「原発再稼働でもゾンビ化しかねない電力会社の本当の不安」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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