• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

事故はなぜ繰り返すのか

JR北海道とカネカの明暗

2014年3月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今年2月、JR東日本の京浜東北線で回送列車が工事用車両と衝突し、脱線した。1月には、三菱マテリアルの四日市工場で爆発があり、5人の死者を出す惨事となった。

 両社に共通するのは、過去に同じような事故を起こしているということ。JR東日本は5人が死亡した15年前の事故で、作業区間に列車を入れない「線路閉鎖」を徹底したはずだったが、今回この手順を守っていなかった。三菱マテリアルは2年前にも、四日市工場で爆発事故を起こしている。

 惨事の教訓を生かすことができない実態が、相次いで明らかになった。企業が事故後に打ち出した再発防止策に死角はなかったのか、検証する必要がありそうだ。

「膝詰め対話」、効果なし

 各社の再発防止策によく登場するのが、社長以下、経営陣による現場の訪問だ。現場の社員たちと定期的に安全について話し合い、意識の向上を図るというもの。「意見交換会」や「緊急安全ミーティング」「経営者巡回」などその名称は様々だ。

 JR北海道では2011年に特急列車が脱線炎上したのをきっかけに、経営陣が鉄道の現場を巡回し、「膝詰め対話」を重ねた。

 しかし、その後も車両の脱線、出火が絶えることがなく、昨年9月には保線員たちがレール幅の異状を放置していたことが原因で、貨物列車が脱線した。その後の社内調査で、レール異状の放置のみならず、放置の隠蔽を目的に検査データの改ざんが以前から各地で横行していたことが分かった。

この光景を何度見たことか。検査データの改ざんを受けて今年1月に記者会見で謝罪する野島誠社長(中央)ら、JR北海道の経営陣

 「安全文化の定着」を狙って実施していたはずの膝詰め対話だったが、効果はなかったと言わざるを得ない。

 一方で、事故を減らすことに成功した企業もある。

 カネカは2009年に鹿島工場が爆発したのをきっかけに、経営陣が生産現場の巡回に乗り出した。その結果、2008年に30件に上った労働災害件数は、2012年に18件まで減るなど、一定の効果が表れている。

 経営陣が現場の社員に直接、安全対策を問いただし、現場の社員も経営陣に意見するなど、やっていることはJR北海道と変わらない。では何が明暗を分けたのか。

コメント21件コメント/レビュー

 横浜在住で新宿に通勤している会社員です。 JR東日本で川崎の事故がありましたが、私は3月の初めから横浜駅の東海道線のホーム下の線路に落ちている青いビニール傘を定点撮影してFacebookに載せています。3月6日から31日の今朝まで、ビニール傘とアルミの空き缶がレール30センチの残ったままです。 いつも上りホームの東京より15号車の先頭から見ていますが、下りの線路脇に数本の傘が落ちています。これはこの一月間、保線員が現場確認をしていないことと、横浜駅員が線路を確認していないことの証拠です。 こういう意識のない社員が集まる組織であれば事故が起こっても当然だと思います。 むかし危険予知トレーニングのリーダー研修で教えてもらった標語を書いておきます。 ゴミ捨てる人あり、拾う人なし、三流会社 ゴミ捨てる人あり、拾う人なし、二流会社 ゴミ捨てる人なし、拾う人あり、一流会社鉄道事業者は一流会社であってほしいです。(2014/03/31)

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「事故はなぜ繰り返すのか」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 横浜在住で新宿に通勤している会社員です。 JR東日本で川崎の事故がありましたが、私は3月の初めから横浜駅の東海道線のホーム下の線路に落ちている青いビニール傘を定点撮影してFacebookに載せています。3月6日から31日の今朝まで、ビニール傘とアルミの空き缶がレール30センチの残ったままです。 いつも上りホームの東京より15号車の先頭から見ていますが、下りの線路脇に数本の傘が落ちています。これはこの一月間、保線員が現場確認をしていないことと、横浜駅員が線路を確認していないことの証拠です。 こういう意識のない社員が集まる組織であれば事故が起こっても当然だと思います。 むかし危険予知トレーニングのリーダー研修で教えてもらった標語を書いておきます。 ゴミ捨てる人あり、拾う人なし、三流会社 ゴミ捨てる人あり、拾う人なし、二流会社 ゴミ捨てる人なし、拾う人あり、一流会社鉄道事業者は一流会社であってほしいです。(2014/03/31)

私はRC部長でした。繰り返し事故に苦慮しました。事故の形態は大きく二つに分別できます。会社責任と作業者責任です。会社責任は危険な状態を放置して、災害や事故が起きる事象です。作業者責任はルールを無視するヒューマンエラーです。会社責任は厳しく律します。社員の安全を確保出来ない企業は繁栄しません。事故や災害の本質原因を徹底的に追求します。ここの段階で本質原因を見抜けないと再発します。対策は費用度外視で実施します。対策が終了する迄再稼働は認めません。作業者責任は安全装置やマニュアルが確立されていても、手抜きや近道をして事故を起す事象です。俗に言うヒューマンエラーです。死亡事故や大災害の殆どがこのヒューマンエラーです。ルールやマニュアルは掟だと厳しく躾ます。違反者は減給、悪質な場合は解雇します。課単位で教育や訓練をしても効果無しです。口先で注意や指導をしても駄目です。実際に痛みや恐怖を体験させます。体験教育設備を作り、全社員に実際に落ちる恐怖や出血する恐怖、火災が起こり火傷する恐怖を植え付けます。これを毎年繰り返し実施します。これにより事故はゼロになりました。体験に勝るものは無しです。(2014/03/28)

いくら腐った組織でも現状を良しとせず改革しようという人がいるはず。その声が経営トップに届かないのは、そのトップが日ごろ諫言忠言を聞く姿勢を示さなかったからであろう。そんなことでは、社長が現場に赴いても無意味、部下社員はひたすら保身に走る。亡くなったお二人には申し訳ないが、歪んだ労使関係や旧弊の背景以前に、やはりトップの責任は免れない。部下は上司の力量を見抜くのに3日もあれば十分、新体制はどうだろうか。(2014/03/28)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長