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ビットコインに欠けていたもの

世界初の紙幣「交子」と「お金」の信用

2014年3月31日(月)

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 仮想通貨ビットコインの取引所大手、マウントゴックスは2月25日に取り引きを全面停止する事態となり、運営会社は2月28日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し経営破綻した。さらに3月9日には、米国のテキサス州ダラスで米連邦破産法第15条の適用を申請した。3月20日には、マウントゴックスは、ほぼ全てが消失したとしていた85万ビットコインのうち、約20万ビットコインが見つかったと発表した。

 ビットコインとは中本哲史(ナカモト・サトシ)と名乗る人物が基本的な概念を生み出した仮想通貨とされている(中本哲史なる人物はこれを否定している)。minerと呼ばれるビットコイン採掘管理ソフトの存在があり、これにより流通量が自動調整され埋蔵量にも限界が設定されている。

 この考え方の背景にあるのが、昔の金本位制であると考えられる。ただし、ビットコインには、円やドル、ユーロなどのように発行権限を有しその価値を担保する中央政府の存在はない。つまりその信用力の背景に、政府や中央銀行、現物資産があるわけではない。また家電量販店のポイントのように、企業がその価値を認めているものとも異なる。

 このビットコインに対して、FRBのバーナンキ前議長は昨年11月に書簡で「(仮想通貨は)長期的に有望」と指摘したことも権威付けにつながったとされる。日銀の黒田東彦総裁も昨年12月20日の会見で「大いに関心を持っている」と発言した。それに対して、グリーンスパン元FRB議長は、「ビットコインの本質的価値が何かを推測するため想像力を本当に膨らませなければならない。それを他の人はできるかもしれないが、私はできない」と断言し、通貨ではないとの見解を示した。

中国で誕生した送金手形制度「飛銭」

 そもそも通貨とは何であろうか。大昔は貨幣として貝などが使われた。共同生活において利用価値が高いこと、貴重なもの、さらに保存がきくといったものが選ばれた。これらは「物品貨幣」と呼ばれている。ビットコインについてはシステムの上では希少価値を与えられ、利用価値が高いことなど、金など昔の通貨と同様の特性を持っていた。

 我々は本来の価値としては額面を大きく下回るものの、紙でできた通貨を利用している。これも歴史を遡ると中国の唐の時代にその仕組みができたとされる。唐の時代の後期には、茶・塩・絹などの遠距離取り引きが盛んになるなど商業の発達に伴い、銭貨の搬送を回避する手段として「飛銭」と呼ばれた送金手形制度が発生した。

 高額商品の売買には銭貨の「開元通宝」などでは量がかさんでしまう上、途中での盗賊などによる盗難の危険もあった。このため、長安や洛陽などの大都市と地方都市や特産品の産地などを結んで、当初は民間の富商と地方の商人との間によって「飛銭」という送金手形制度が開始された。

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「ビットコインに欠けていたもの」の著者

久保田 博幸

久保田 博幸(くぼた・ひろゆき)

金融アナリスト

証券会社の債券部で14年間、国債を中心とする債券ディーリング業務に従事。幸田真音『日本国債』の登場人物のモデルにも。専門は日本の債券市場の分析。特に日本国債の動向や日銀の金融政策について詳しい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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